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ネット時代の取材学

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「ネット時代の取材学」藤井誠二*1 著(IBCパブリッシング)

 「取材」はマスコミ専門職のための技術ではなく、子どもでも大人でも使える「学びの方法」であり、「人と関わるための技術」である。

目次:人に会って話を聴く/ 「取材」とはなにか?/ 社会の肌触りを体感する/ 自分の身のまわりを掘り下げてみよう/ 自分の「入れ替え可能性」について/ 相手の怒りから逃げてはいけない/ 「あたりまえ」のことをする/ パターン認識で相手との共通項をさがす/ 「出会う」プロセスも大切/ 「場」と「空白」を味方にする/ 相手の「見た目」は情報のかたまりだ/ 「反逆する風景」を無視してはいけない

あたりまえのことですが、取材は当事者に直接会って話を聞く。事実を掘り起こす。という地味な作業の積み重ねです。

人に話を聞きに行くためには事前の予習は必要です。しかし、予習は予断であり、事実に近づくためのきっかけに過ぎません。独りよがりは厳禁です。

自分の目や耳で聞いた事実が予断と異なることがわかったら、あっさり予断を捨てて事実で上書しましょう。自分が得た事実を判断するのは読者であり視聴者です。 

フェイクニュースやヘイト情報がわが物顔でのさばる今だからこそ、座右に置きたい一冊です。

 

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*1:愛知県出身の日本のノンフィクション作家。明治大学非常勤講師、愛知淑徳大学非常勤講師。