「ネット時代の取材学」藤井誠二*1 著(IBCパブリッシング)
「取材」はマスコミ専門職のための技術ではなく、子どもでも大人でも使える「学びの方法」であり、「人と関わるための技術」である。
目次:人に会って話を聴く/ 「取材」とはなにか?/ 社会の肌触りを体感する/ 自分の身のまわりを掘り下げてみよう/ 自分の「入れ替え可能性」について/ 相手の怒りから逃げてはいけない/ 「あたりまえ」のことをする/ パターン認識で相手との共通項をさがす/ 「出会う」プロセスも大切/ 「場」と「空白」を味方にする/ 相手の「見た目」は情報のかたまりだ/ 「反逆する風景」を無視してはいけない
あたりまえのことですが、取材は当事者に直接会って話を聞く。事実を掘り起こす。という地味な作業の積み重ねです。
人に話を聞きに行くためには事前の予習は必要です。しかし、予習は予断であり、事実に近づくためのきっかけに過ぎません。独りよがりは厳禁です。
自分の目や耳で聞いた事実が予断と異なることがわかったら、あっさり予断を捨てて事実で上書しましょう。自分が得た事実を判断するのは読者であり視聴者です。
フェイクニュースやヘイト情報がわが物顔でのさばる今だからこそ、座右に置きたい一冊です。
拙著「明日、自殺しませんか 男女七人ネット心中」の解説は、先輩ライターの藤井誠二さんが書いているが、久しぶりに読み返した。この文章は一つの作品としてもすごいなあと思うけど、よく読み解いているなと感心する。最後の文章はこっちが泣けてくる。 pic.twitter.com/NdIHyr7sNS
— 渋井哲也 (@shibutetu) 2017年9月24日