本屋は燃えているか

ブックストアの定点観測

テレビドラマ原作本・山女日記

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「山女日記」湊かなえ 著(幻冬舎

このまま結婚していいのだろうかーーその答えを出すため、「妙高山」で初めての登山をする百貨店勤めの律子。一緒に登る同僚の由美は仲人である部長と不倫中だ。由美の言動が何もかも気に入らない律子は、つい彼女に厳しく当たってしまう。/医者の妻である姉から「利尻山」に誘われた希美。翻訳家の仕事がうまくいかず、親の脛をかじる希美は、雨の登山中、ずっと姉から見下されているという思いが拭えない。/「トンガリロ」トレッキングツアーに参加した帽子デザイナーの柚月。前にきたときは、吉田くんとの自由旅行だった。彼と結婚するつもりだったのに、どうして、今、私は一人なんだろうか……。

原作つきのテレビドラマは制作しにくいところがある。

知り合いの制作者がつぶやいていました。

原作、特に長編の作品は世界観がしっかり読者の中に作られてしまうため、

原作のシーンを切ったり、変更したりするのが大変なのだそうです。

 その点、原作が短編だと世界観を切ることがないので読者の不満を呼ぶことが

比較的少ないといいます。

原作にはないストーリーや設定を作るのは大変です。

原作者と綿密な調整が必要な場合もありますが、

最近は一つのコンテンツとして納得してくれる著者も増えているのだとかで、

うまくいくこともあるのだそうです。

本作品は短編集です。

「近年、「山ガール」という言葉が流行し、登山を始める女性が増えましたが、高尾山、富士山以外の山を知らない、また、槍ヶ岳など名前は知っているけれど、自分に登れるかどうか自信がない。それはもったいない、と思い、この物語を書きました」

著者の湊かなえさんは「山ガール」はいわば「女性の自立の象徴」ではないかという思いをこの作品に込めているように思います。

www.nhk.or.jp

 

ドラマの放送日は2017年10月29日と11月5日。

書店としてはあわせて旅行本や散歩本も関心を持って貰いたいと思います。