本屋は燃えているか

ブックストアの定点観測

ロボット 職を奪うか、相棒か?

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「ロボット 職を奪うか、相棒か?」ジョン・M・ジョーダン 著(日本評論社

◎経済的な観点から、ロボットは重要なテーマです。どんな仕事がこれからますますロボットに置き換わっていくのか、人間にしかできない仕事は何か、こうした重要な問題を扱っています。

◎「人類は常に道具を作ってきて、道具は常に意図しない結果をもたらしてきた」と著者は言います。ロボットという機械もその道具の一つですが、人間の意図を超えた活躍が期待されるようになってきました。果たしてロボットは、人間から職を奪うのでしょうか、それとも良き相棒になるのでしょうか?

ロボット(AIイコール人工知能)が仕事を奪うという声をよく聞きます。それに反して、新しい産業が生まれることでこれまでになかった仕事が生まれることで釣り合いが取れるという反論もあります。どちらが正しいか、私にはわかりません。

活版印刷の誕生によって出版がどのような変化を遂げていったのか、またネットの登場で紙の本とその紙の本を売る本屋がどう変わっていくのか延々続く議論によく似ているような気がします。

ある銀行の調査によると、労働需給が逼迫する日本では、生産関連産業、建設、サービス業など人手不足の現場では受け入れられ、反対に事務部門では人があまり、自動化が難しいソフトウエア技術者は人手が足りなくなるという雇用の変化が起きそうだといいます。

調査では「いずれの職種も一定の知見、ノウハウの習得は必要だ」とまとめられていることを見ると、学びは今以上に必要になってくるようです。知識を売る本屋としては若干望みをかけて、ロボット時代の到来を待ちたいところです。  

https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/jp170718.pdf