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行動経済学の本

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朝日新聞(2017.12.10)の読書欄の特集は行動経済学の本です。

行動経済学の研究者・大阪大学教授の大竹文雄さんはこう言います。

「わかっているのにやめられないという人間の行動を経済学にきちんと取り入れることに成功したのが行動経済学です」

行動経済学で大正とする人間は、従来研究のモデルとなっていた人格のない人間ではありません。欲望を持つ現実的な人間像なのです。

その人間像とは「損得勘定を持っていて、損することを極端に嫌う」「将来のことより目先の利益に敏感」「不平等が大嫌いのくせに、隣の芝生が気になる」存在です。

行動経済学をうまく使うと私たちの生活はもっと豊かになります。ものごとを選択するための文章やデザインを変えただけで、望ましい方向を選ぶことができるからです。

ところが、その半面悪用されると大変です。不合理な存在を経済の面から探求する。経済学は無味乾燥な数字の学問から、血の通った学問へと変貌を遂げつつあるようです。

行動経済学の逆襲

ファスト&スロー(上) あなたの意思はどのように決まるか?

ファスト&スロー(下) あなたの意思はどのように決まるか?

シンプルな政府