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#こうの史代「ギガタウン 漫符図譜」

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「ギガタウン 漫符図譜」こうの史代 著(朝日新聞出版)

うさぎの家族と周囲の動物たちの日常風景を、ユーモアをたっぷり交えて描いた4コマ漫画×現代版の「鳥獣人物戯画」 です。個性豊かな動物たちは、いつまでも眺めていたいほどチャーミングです。このキャラクターは、国宝「鳥獣人物戯画」を著者が現代風にアレンジして生み出したもの。メインの動物はもちろんうさぎ、カエル、さるで、墨の筆致を生かしてのびのびと描かれています。

さらに不思議なサブタイトル「漫符図譜(まんぷずふ)」。
漫符」とは、目が回ったときのグルグル、ひらめいた時の電球、
動いた軌跡の線など、漫画特有の表現記号の総称です。
著者はその漫符を採集し、「図譜」、つまり事典のように1つずつ解説を付しました。たとえば……

(♪の漫符)
1.(一つだけの場合) 機嫌が良いこと、楽に何かをこなしている様子を表すことが多い。
2.(複数の場合) 実際に音楽が鳴っている様子を表すことが多い。
――(本文より)

そして、漫符1つずつの「用例」

が本編の4コマ漫画になっているという仕掛け。
つまり本書全体が本邦初の"漫符事典"になっているのです。

こうの史代さんといえば、

この世界の片隅に」を超ロングラン上映してきた広島の映画館で1月26日千秋楽を迎えることになったという情報。

最高傑作をありがとうございました。

https://pbs.twimg.com/media/DRr0hoSVQAA-KBK.jpg

さて、こうの史代さんの最新作は 現代版の「鳥獣人物戯画」。朝日新聞社が発行する文芸誌、書誌PR誌「一冊の本」に連載していた作品を単行本にしたものです。

「一冊の本」(朝日新聞出版)に連載中の「ギガタウン」は来月号で最終回、単行本は1月下旬発売です!
 漫符を毎回入れて4こまを作るのは意外と難しかったがこつこつ頑張ったぞ…。これから単行本作業です。

(ご無沙汰しました! 投稿者:こうの 史代 投稿日:2017年11月14日(火)18時39分44秒)

連載に気が付かなかったファンもかなりいて注目を集めています。