「サイレントマザー: 貧困のなかで沈黙する母親と子ども虐待」石川瞭子 著(青弓社)
虐待と貧困の連鎖の渦にいながら、助けを求める声を上げられない母親たち=サイレントマザー。 育児放棄や暴力などの子どもへの虐待、父親の娘への性暴力を見て見ぬふりをする、ついには子どもを殺してしまう……。社会問題にもなった虐待事件のルポルタージュや資料を丹念に読み込み、不登校と向き合う母親、子を愛せない母親、破壊衝動をもつ母親、子を病気に仕立てる母親などの調査事例も多角的に検証する。
視聴率が低いことからあまり話題に上らないのがNHKのETVです。
昔は教育テレビと呼ばれていたこともあり、堅苦しいとか教条的とかイメージされています。
ところがよく見ると、他のテレビにはない個性的な番組も多く、
1回はまると抜け出せなくなる視聴者も多いようです。
ゴールデンタイムに放送される看板番組は福祉がテーマ。
たまに総合テレビのニュース・情報番組より時代の先を読んだ、専門性が高いテーマが放送されるので
ラテ欄から目が離せません。
家庭内暴力。とくに夫が妻やこどもたちに暴力を振るう”ドメスティック・バイオレンス”は、この時間帯で長い間取り上げ続けられているテーマです。
テレビで取り上げられる映像事例を頭に入れながら、活字で綴られたノンフィクションを読むと、悩ましい実体を自分のこととして理解することができます。