「隣の家族は青く見える」中谷 まゆみ(脚本)、 木俣 冬(ノベライズ)(扶桑社)
エピソードを一つ一つ積み上げて物語を成立させるには、筋の通った姿勢が必要です。
視聴率をとれないこともあるかもしれません。しかし、見た人の心の中にしっかりしたメッセージを届けることができれば、それは制作者にとって勲章のようなものだと思います。たとえその勲章が寂だらけであったとしても。
CXのドラマは現代社会にきちんと向き合っていたと思います。
苦難の不妊治療の末、妊娠しました、はい出産、のハッピーエンドを選ばずに、あえて初期流産をぶつけてくる脚本は、当事者にとって本当にリアル。制作者側の覚悟を感じる。現代の妊娠、出産、ジェンダー、家族の形をなるべく現実に寄り添った形で描こうという努力が素晴らしい。
不妊治療に流産に性的マイノリティにワンオペに…
こんなに詰め込んでるのに、ひとつひとつ丁寧に描かれてるとこが凄いドラマだなぁ。