「新しい買い物 理想の社会を買い物でつくる。」勝部健太郎+無印良品コミュニティデザインチーム 著(KADOKAWA)
無印良品で扱っている商品のなかには、
本来想定していた使い方ではない使い方ができるものが数多くあります。
例えば、店に行くたびに購入してしまうのが「ポリプロピレンファイルボックス」。
書類などを綴じ込んで本棚などに収納する商品です。
かなりの容量があることに加え、並べると倒れない。
ラベルを貼るだけで中身がわかる。
余計なデコレーションがないだけ、見た目にもやさしく視界が整理できます。
隙間なく棚を埋め続けるファイルボックスを見て、
最近は、書類だけではなく様々な小物を放り込んで管理するようになりました。
著者の勝部健太郎さんは「カスタマイズ」と「共創」は別物であるといいます。
「新しい買い物」では、企業と「買う人」のかけあいが大切なのはまちがいないけれど、それはいわゆるカスタマイズとはちがうといえるかもしれません。
カスタマイズは一見すると、「買う人」とのコラボで新しい価値をつくっているように思えますが、実際のところは、企業があらかじめ想定した範囲内のバラエティです。
結局のところ、企業主導の価値創造の域を出ていないものが少なくないし、企業と「買う人」との共創とはいえないと思います。
企業が提供する価値を超えた使い方をユーザーが作り出して楽しむ。
そんな提言をこの本は、かみくだいて伝えてくれます。