本屋は燃えているか

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#井上智洋「AI時代の新・ベーシックインカム論」

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「AI時代の新・ベーシックインカム論」井上智洋 著(光文社)

ネット社会が加速度を増しています。

「シンギュラリティ(技術的特異点*1」という名前の時代の踏み切り板がすぐそこまで来ています。

便利になるのは大歓迎。

でも少し不安を感じるのは、自分の仕事は先行きどうなるのだろうという収入の不安から来るのかも知れません。

AIは雇用を奪うとか、いやいやAIが新しい仕事をつくるから雇用機会は調整されるとか、

さまざまな見方が飛び交います。

突出した技術を持つ人は、飛び抜けた財を持つことは疑いありませんが、

横丁の八っあんや熊さん、ご隠居のような普通の人が貧困のどん底に落ちることになったら大変です。

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この本のキモは第四章 

【第4章】AI時代になぜベーシックインカムが必要なのか?
4・1 AIは雇用を奪うか? 格差を拡大させるか?
4・2 日本の雇用の未来
4・3 人間並みの人工知能が出現したら仕事はなくなるか?
4・4 脱労働社会にベーシックインカムは不可欠となる
4・5 資本主義の未来

怠け者の行く末に待つものとはなにか、普通の人は普通の人なりに備える道を

ちょっと難しいけどこの本は示唆しています。

 

*1:人工知能が発達し、人間の知性を超えることによって、人間の生活に大きな変化が起こるという概念を指します。 シンギュラリティという概念は、人工知能の権威であるレイ・カーツワイル博士により提唱された「未来予測の概念」でもあります。