「定年後の知的生産術」谷岡一郎 著(筑摩書房)
定年後の不安につけ込む企画がさまざまなメディアを賑わせます。
社会学者の谷岡 一郎さんの切り口は、保険や相続、定年後のお金などという世俗の垢にまみれたテーマではなく、学問追求型の余生の過ごし方です。
人生100年というと、定年から先の余力ある人生がが20年以上もあるということ。
会社勤めの長かった人が、働きもせず趣味三昧に家でゴロゴロしようものなら、それはそれで大変な目に遭うことが必至です。
仕事で得た知見を世の中に広げるということは、若い人たちとの接点をもつということです。
閉じた世界で生きるより、開かれた世界で人の役にたつ時間を使いなさいという提言はたぶん真理だと思います。