「「ちんたら」の語源は鹿児島にあった! 」わぐりたかし 著(光文社)
三重県津市に阿漕浦という海岸があります。
悪いやつの印象が強い「あこぎな奴」、その語源は津市にあります。
ここではこの言葉は逆の意味の褒め言葉。
この地にいた阿漕平治がルーツであると教わりました。
知っているようで知らない語源を探検した迷著です。
著者のわぐりたかしさんは 1961年、東京都生まれ。
放送作家として活躍したあと、大阪の高校で校長先生を勤めた経歴の持ち主です。
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放送作家は放送番組の構成が主な仕事。
放送時間の枠に収まるように視聴者が驚き、喜ぶテーマを掘り下げ、放送台本にしていきます。
放送されれば電波の向こうに消えていってしまう番組も、
ネタの発掘や裏取りといった事実確認をきちんとしないとたいへんな事になります。
そんな業界の荒波をくぐり抜ける間に、珍妙な素材とそのいわれが語り出す深みを掘り当てました。
放送は時間に追われる仕事です。
「ちんたらするな」と言われたことが本書の発意なのかもしれません。
「ちんたら」の語源は鹿児島にあった!
愛媛で「ひとりずもう」、京都で「あとの祭り」、静岡で「二の舞」を鑑賞。石川で「ごり押し」を体験し、島根で「地団駄」を踏んでみる……。
ことばが生まれた土地を旅し、語源の謎に触れてみれば、通説を覆す驚きの史実が見えてくる。まさに「字件」は「言場」で起きている⁉
語源ハンターと行く、辞書には載らないことば探訪記。
『地団駄は島根で踏め 行って・見て・触れる《語源の旅》』(2009年、光文社新書)待望の文庫化。
<本書に登場する語源>
急がば回れ(滋賀県)/ごたごた(神奈川県)
らちがあかない(京都府)/ひとりずもう(愛媛県)
あこぎ(三重県)/縁の下の力持ち(大阪府)
つつがなく(山形県)/あとのまつり(京都府)
どろぼう(愛知県)/関の山(三重県)
うやむや(秋田県・山形県)/あいづちを打つ(京都府)
もとのもくあみ(奈良県)/鹿児島県(ちんたら)
ごり押し(石川県)/お払い箱(三重県)
うだつが上がらない(徳島県)/うんともすんとも(熊本県)
火ぶたを切る(愛知県)/のろま(新潟県)
大黒柱・醍醐味(奈良県)/二の舞(静岡県)
地団駄を踏む(島根県)