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#大貫良夫「アンデス古代の探求 - 日本人研究者が行く最前線」

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アンデス古代の探求 - 日本人研究者が行く最前線」大貫良夫、希有の会 編集(中央公論新社

美術番組などで紹介される古代の遺物は、膨大な出土品の中から選りすぐられたものの一つです。

研究者たちは膨大な出土品を丁寧に掘り起こし、保存のための処理を行い記録するという気の遠くなる作業に明け暮れます。

番組制作はいわばその上前をはねるというか、いいとこ取りをすることにほかなりません。

しかし、研究者の方々は番組の無理なお願いに答えて、さまざまな便宜を図ってくれるのだそうです。

一般庶民からすると、古代史などは遠い存在です。知らなくても生活に支障がないわけです。

そんな人たちに自分たちの作業を通じて、人々が生きてきた過去を伝え、人間というものの不思議に関心を持って貰うことができる手段は番組であることを研究者たちはよく知っているのです。