本屋は燃えているか

ブックストアの定点観測

#トム・ウェインライト「ハッパノミクス」

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「ハッパノミクス」トム・ウェインライト 著、 千葉敏生 翻訳(みすず書房

丸山ゴンザレスさんの本「世界の混沌を歩くダークツーリスト」(講談社)でも紹介された麻薬ビジネスの世界を、外国人ジャーナリストの視線でルポした本。

世界の危険地帯はだいたいにおいて外務省が公開する海外安全情報で「行ったらアカン」と取材は止められます。

放送局のテレビクルーは危機管理上、現地に入れません。

それでも放送は出さなければならないということから強い需給関係が生まれます。

白羽の矢が立つのが現地の事情に詳しいフリーのジャーナリストや、独立プロダクションです。

脱北者が相次いだころの北朝鮮取材とか、イスラム国の取材で誘拐されたジャーナリストなど、危険な場所の現状を知る上で彼らの存在は欠かせないのです。

 

平和な日本では想像もつかないような暮らしや、アウトローな世界が海外では常識のように存在しています。

日本の常識と現地の非常識を埋める細い糸の役割を果たすのが最前線のルポルタージュです。