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#大貫美鈴「宇宙ビジネスの衝撃――21世紀の黄金をめぐる新時代のゴールドラッシュ」

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宇宙ビジネスの衝撃――21世紀の黄金をめぐる新時代のゴールドラッシュ」大貫美鈴*1 著(ダイヤモンド社

半年間国際宇宙ステーションに滞在していた金井伸茂さんが無事地球に生還しました。

宇宙での研究成果を伝えるニュースがテレビ画面を飾っていました。

宇宙で今なにが行われているのか。金井さんの研究の背景にどんな動きがあるのか。

掘り下げて伝える番組はあまり目にしませんでした。

アメリカではイーロン・マスクのスペースXをはじめ、グーグル、アマゾン、フェイスブックマイクロソフト、アップルなどの大企業が宇宙に目を向けています。

点と線を結んでいくと背景にある大きな狙いが見えてきます。

実は今、宇宙は空前のゴールドラッシュ。
宇宙にしかない「21世紀の黄金」を目指して、
IT企業の巨人やシリコンバレーベンチャー企業が群がる、
次世代ビジネスの舞台となっている。

注目されているのが、宇宙からしか取れない「地球のビッグデータ」。
例えば、宇宙から地球を観測するモニタリングデータは、
気象変化だけでなく、地球上のさまざまな動きを正確にキャッチすることができる。
それは、IoTやAIの進化と結びつき、
通信はもちろん、製造、流通、サービス、医療、農業、漁業、金融、教育などに
産業革命を引き起こす可能性を秘めているのだ。
宇宙ビジネスは、第4次産業革命の駆動力とも言われている。

膨大な資金をつぎ込んで宇宙に向かうエネルギーは何か。素朴な疑問に答えてくれるのがこの本です。

「地球のビッグデータ」を手に入れた者が次世代の大金持ちになることを預言しています。

 

 

*1:宇宙ビジネスコンサルタント/スペースアクセス株式会社 代表取締役
日本女子大学卒業後、清水建設株式会社の宇宙開発室で企画・調査・広報を担当。世界数十か国から参加者が集まる宇宙専門の大学院大学「国際宇宙大学」の事務局スタッフを務める。その後、宇宙航空開発研究機構(JAXA)での勤務を経て独立。現在は、宇宙ビジネスコンサルタントとして、アメリカやヨーロッパの宇宙企業のプロジェクトに参画するなど、国内外の商業宇宙開発の推進に取り組む。清水建設の宇宙ホテル構想提案以降、身近な宇宙を広めるためのプロジェクトへの参画はライフワークになっている。アメリカの宇宙企業100社以上が所属する「スペースフロンティアファンデーション」の、アジアリエゾン(大使)としても名を連ねる。新聞や雑誌、ネットでの取材多数。