「市場のことば、本の声」宇田智子*1著(晶文社)
お目当ての本を買いに行って、その本が見つからず、その代わりに傲然別のものを発見することがあります。セレンディピティというのだそうですが、古本屋には、偶然の出会いが満ちあふれています。
価値ある出会いに欠かせないのが本の価値に精通した目利きの店主です。モノがあふれる時代だからこそ、"自分だけが満足するもの”に出会いたいという欲求は反比例するように増えています。乾いた土に水を注ぐように、ものを知る喜びを届けてくれるのはこうした小さな店の主人なのかもしれません。