「みえるとか みえないとか」ヨシタケシンスケ 著(アリス館)
人物の特徴や動きを単純化して描くところに魅力がある作家です。
一見、簡単に描いているように見えますが、素人が真似しようとしても味わいは出せません。
ヨシタケさんは筑波大学で学ぶ学生時代から、同じようなキャラクターを描き続けていました。
初期の作品と比較すると一本の芯のようなものが見えてきます。
人の動きを観察し、動きの瞬間や描く角度などを描き続けた膨大な蓄積の上に今の画風があるのだと思います。
自分がやりたいことを貫く勇気。毎日の積み重ね。観察眼。
「見えるものとみえないもの」というテーマには、作者の生き方そのものが隠されているように思います。