「ローカルベンチャー 地域にはビジネスの可能性があふれている」牧大介*1 著(東洋経済新報社)
大量生産、大量消費のビジネスモデルに疑問を感じ、自給自足に近い取り組みに関心を持つ人が増えているように思います。
都会でいうとセレクトショップのような、ポリシーを持ったオーナーを中心に一点ものに近い商品を商う店であったりします。
それを支えるのが昨今の技術革新の流れです。
独創的なアイデアと強いこだわりさえあれば起業するハードルは高いものではないようです。
大切なのは自分の棚おろしだということを良く聞きます。
知らず知らずのうちに培ってきた専門性にはビジネスのチャンスがあるという考え方です。
その考え方を地域の再生に応用したのが本書ではないでしょうか。
私も地域で何年か生活した経験があります。
様々な現場で地域活性化への取り組みに触れてきて思うのは、
人や物があふれる都会に比べ、地域は相当大きなハンディキャップを抱えていることです。
地域では個人の「思いつき」だけではビジネスは立ち上がらないという現実があります。
志を持った人が情報を分け合いながら、できることを積み重ねることで都会にはない価値を生み出してきたのだと思います。
地域の中に生きる自分。自分だけが持つ力や技術。
繋げることの大切さをこの本は示しているように思います。
「人口1500人の村だからできた」わけではなく「人口1500人の村でもできた」取り組み。
地域での生き方を探している方、地方への移住を考えている方、ローカルベンチャーに興味のある方を本書はターゲットにしていますが、基本的な姿勢はラジカルです。