「平成風雲録 政治学者の時間旅行」御厨貴 著(文藝春秋)
政局が動く時期になると政治の本が動きます。
放送局の中で政治部はある種特権的な雰囲気を持っています。
切った張ったで寸秒を争う報道を担う人たちの間でも、政治部が絡むネタとなると途端に慎重になるところに、政治の持つ微妙な力関係を感じます。
報道から遠く離れた、例えばエンターティンメント系の番組を担当する人たちにとっても無縁ではありません。政治が動くと放送枠が変わったり、政局を逆撫でするようなテーマには慎重にならざるを得なくなるからです。
時には放送局内に怪文書が出回ることもあるので、うんざりだと言う放送局員は少なくありません。
政権と付かず離れず、センサーのような役割を果たすのが事情通の政治部が持つ影の役割だと割り切ってしまえば、特権的と言われる政治部の仕事に同情できなくはないのですが。