このところ絶好調のNHK連続テレビ小説。「半分、青い。」の後を受けて始まるのが前作「わろてんか」を作り上げた大阪放送局の新シリーズ「まんぷく」です。数えて99作目なんだとか。「まんぷく」には原作がありません。完全なフィクションです。脚本は「HERO」の福田靖さん。主人公のモデルは誰もが知っている「チキンラーメン」の創業者・安藤百福さんのお姉さんです。
書店には評伝が早くも登場。ガイドブックとあわせて店頭を賑わせています。
チキンラーメンの女房 実録 安藤仁子 (単行本)
2018年10月から始まるNHK連続テレビ小説『まんぷく』のヒロイン・福子のモデルとなった、日清食品創業者・安藤百福の妻であり、現日清食品ホールディングスCEO・安藤宏基の母、安藤仁子とは、どういう人物だったのか?
激動の時代に倒産、財産没収、投獄と波乱万丈の夫をひたすら支えた仁子さん。百福さんがチキンラーメン(インスタントラーメン)を発明したのも、仁子さんが天婦羅を上げている姿を見てヒントを得たという。仁子さんはまったくの私人で、いままで世の中にほとんど情報が出ていない。
今回ドラマのために初めて親族や友人などにインタビューし、生前の手帳や日記をひもとき、その人間像がはじめて明らかになった。本書はその資料をもとにした「唯一無二の」評伝である。仁子さんの誕生から生家の浮き沈み、学生時代、百福さんとの出会いとその後の波乱万丈―。創業社長を支える妻でありながら、百福の先妻の子も分け隔てなく慈しみ、また社長となる息子も立派に育て上げ、社員からの信頼も厚かったという仁子さん。会社や夫、家族、社員とその家族の平穏を願って八十八箇所めぐりをし、工場や家に観音様をまつって祈り続けた。
幾度もどん底を経験しながら、夫とともに「敗者復活」し、明るく前向きに生きた彼女のその人生に、さまざまな悩みに向き合う人たちへの答えやヒントがある――寒空のなかの1杯のラーメンのように、元気が沸き、温かい気持ちになる1冊。
安藤百福さん自身が人生を振り返った本はこの本。日経新聞の連載「私の履歴書」も収録。