「謎のカラスを追う―頭骨とDNAが語るカラス10万年史」中村純夫 著(築地書館)
その神様の存在に気づいた人間がいます。
高校で生物学を教えていた教師は、ある疑問を抱きました。
澄んだ声でカァ―と鳴くハシブトガラス。
ハシブトガラスには2つのタイプ、日本列島と樺太にいつジャポネンシスと大陸に生息するマンジュリカスがいる。
ある時、著者は不思議な標本を目にする。
ジャポネンシスでもマンジュリカスでもない、第3のカラスがいるのではないか……。
何気なく抱いた疑問が大きな謎に広がっていく。
事実の裏には誰もが気づかなかったドラマが隠れています。
ありふれた日常の厄介者カラス。
平凡な存在であるカラスに隠された姿があった。
第三のカラスと聞いただけでワクワクします。
謎解きの旅は、本来の目的である謎解き以上に興味深い発見と出会うたびだということが本書から見えてきます。
科学の本というよりもミステリー小説を読むようなワクワク感を覚えます。