週刊東洋経済2018年12月8日号BOOKS&TRENDSで紹介された本です。
「金融失策 20年の真実」
日本経済再活性化のためには潤沢な民間資金の活用がもっとも効率的だ! 「貯蓄から投資」はこの20年の日本の経済政策の基本に位置づけられてきました。1800兆円にも及ぶ個人金融資産を、株式などの投資に振り向け、有効活用を図ることが経済発展に資するとされてきたのです。しかし、「貯蓄から投資」を志向した日本版ビッグバンから20年、「貯蓄から投資」を推進するための
金融商品取引法が施行されてから10年以上がたちましたが、投資主導で日本経済が生産性を高めたようには見えません。
本書は、日本経済の低迷を、「貯蓄から投資」という政策の失敗という切り口から検証するもう一つの平成金融史です。
「高坂正堯―戦後日本と現実主義」
日本における
国際政治学の最大の巨人・
高坂正堯(1934~96)。中立志向の理想主義が世を覆う60年代初頭、28歳で論壇デビューした高坂は、
日米安保体制を容認、勢力均衡という現実主義から日本のあり方を説く。その後の国際政治の動向は彼の主張を裏付け、確固たる地位を築いた。本書は、高坂の主著、歴代首相のブレーンとしての活動を中心に生涯を辿り、戦後日本の知的潮流、政治とアカデミズムとの関係を明らかにする。
「考証 東京裁判: 戦争と戦後を読み解く」
第二次大戦後、連合国が日本の戦争責任を追及した「
東京裁判」。膨大な被害を生んだ日本の戦争を、法廷はどのように裁いたのか。
帝国主義・
植民地主義・
レイシズム(人種差別)といった発想と裁判審理との関わり、今日の
歴史認識問題にもつながる戦争観を重視しつつ、膨大な史料を用いて裁判を再検証。不可視化された戦争被害の諸相に迫る。
「天皇陵古墳を歩く」
奈良・大阪に点在する大型
前方後円墳のうち約80基が
天皇などの陵墓に治定されている。
陵墓は静謐と安寧がはかられ、その立ち入りは厳しく制限されてきた。
だが、近年、情報公開請求により整備調査時の状況が開示されたり、限定的ではあるが、研究者への立ち入り観察が許可される事例が増えている。