「赤羽駅前ピンクチラシ;性風俗の地域史」荻原通弘、木村英昭 著(彩流社)
赤羽周辺の住民の皆さんからは「なんてことをしてくれるんだ」「地下が下がるじゃないか」「忘れかけてたのに」とクレームが殺到するかもしれない。と思いつつもやっぱり面白いと著者の着眼と収集にかける熱意に脱帽した本。
今は絶滅状態ですが、テレホンカードの全盛期、川崎や渋谷、新宿などのアブナイ地域の電話ボックスにメモのような怪しげなチラシが貼り付けられている景色を目にしました。大抵の人はゴミのように無視するのですが結構持ち帰られた形跡があったので、特定の地域はそれなりの世界が広がり、不可視の文化が発達していたのでしょう。
当時ですらゴミのように扱われていたのですから価値はないものと思っていましたが、ゴミも数が集まれば価値を生み出すのです。
多分時間がたてばたつほど資料化した価値が高まる本かもしれません。