本屋は燃えているか

ブックストアの定点観測

【ブックレビュー】週刊ダイヤモンド2018.9.22

三省堂書店岐阜店店長が選んだ ビジネス書です。

週刊ダイヤモンド2018年9月22日号

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「デス・バイ・アマゾン テクノロジーが変える流通の未来」

「死ぬこと以外かすり傷」 

「仕事のスピードを上げながら質を高める 最強のライフハック100」

【ブックレビュー】話題の本・週刊エコノミスト2018.9.25

エコノミスト2018年9月25日号レビュー欄で紹介されたビジネス書。

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人工知能はなぜ椅子に座れないのか: 情報化社会における「知」と「生命」」

アメリカとヨーロッパ-揺れる同盟の80年」

「撰銭とビタ一文の戦国史

阪神園芸 甲子園の神整備」 

#ユヴァル・ノア・ハラリ「ホモ・デウス 上: テクノロジーとサピエンスの未来」

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「ホモ・デウス 上: テクノロジーとサピエンスの未来」ユヴァル・ノア・ハラリ 著(河出書房新社

強力なベストセラーが見当たらない昨今。書店が期待を寄せる本がこの新刊です。「ホモ・デウス」の著者は全世界で800万部を売り上げた「サピエンス全史」のユヴァル・ノア・ハラリ。

エンターティンメント的な要素も楽しめた「サピエンス全史」の読者層を当て込んで多めに平積みしたところかなりの手応えを得ました。

 

 

#ステフン クヴェーネラン「MUNCH」

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「MUNCH」ステフン クヴェーネラン 著(誠文堂新光社

来月下旬から東京都美術館で開催が予定されている「ムンク展」。人間の内面を強烈な色彩で描いたムンクの作品は多くのファンを抱えています。しかし、番組づくりに携わる人にとっては、ただ絵を鑑賞して終わりというのでは仕事になりません。その人となりや知られざる秘話をに光を当て、絵を見ただけではわからない作家の物語を形作らなくてはなりません。

そのヒントとなるのが、世界中の美術家や研究者たちの書いた論文や書籍です。 

ムンクの伝記は世界各国で数えきれない程たくさん出されているが、
本作はユーモアを交え、彼の人物像を多面的に、深くえぐりだすことに成功している。また、日本で出版されている伝記に決定的に欠けている、ムンクとその時代に生きた人々の生の声、言葉を物語として不自然でない形にした構成力は
現地でも天才的と評され、絶賛されている。
かつて出されたムンクの伝記のほとんどは美術評論家により書かれたものだったが、
本作は優れた画家でもある漫画家により描かれたため、斬新な作品に仕上がっていることも大きな特徴となる。

美術家ではない人の視点でまとめられたノンフィクション。コミックスから発想した斬新な美術番組が生まれそうな気がします。

 

#ナカムラ クニオ「村上春樹語辞典: 村上春樹にまつわる言葉をイラストと豆知識でやれやれと読み解く」

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村上春樹語辞典: 村上春樹にまつわる言葉をイラストと豆知識でやれやれと読み解く」ナカムラ クニオ 著(誠文堂新光社

この季節になると俄然脚光を浴びる時の人の一人が村上春樹さんです。

著作は読んでも読まなくても、放送局員としてはいつ何時村上春樹さんに関わる番組を担当するかわかりません。本記スジの企画だけでなく、村上フィーバーに湧く世の中を俯瞰したり、熱烈なファンの人たちの生態を探検したりすることだってあるからです。

彼らにとっては一夜漬けのように、とりあえず網羅的に世界観を学ぶ本があると便利です。

村上春樹さんの著作や翻訳作品を中心に、その登場人物、舞台、キーワード、関連する実在の人物、場所etc、あれやこれやを事典として紹介・解説した本。

カラーのイラストでわかりやすくまとめられたこの本はあのブックカフェ「6次元」の店主ナカムラクニオさんと運営の道前宏子さんの手になるもの。手頃なハンドブックと言えそうです。 

#ダナ・スターフ「イカ4億年の生存戦略」

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イカ4億年の生存戦略」ダナ・スターフ 著(エクスナレッジ

番組を企画する人たちはジャンルを問わず本を読みます。

精読というよりは広く知識を得ようとする乱読派が多いような気がします。

番組の世界にもレッドオーシャンはあります。レッドオーシャンとは血で血を洗うような競争の世界。企画のヒントも同じです。誰もが知っている所には転がっていません。

量販書店の店先などにはあまり見当たらないけれど、情報源が確かなものが狙い目です。たとえば本書のような外国人研究者の翻訳ものなどを面陳するとよく売れます。

他の書店では目立たない本でも、視点がユニークな本が放送局員間でよく売れます。 

 

#竹田茂「会社をつくれば自由になれる 中年起業という提案」

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「会社をつくれば自由になれる 中年起業という提案」竹田茂 著(インプレス

退職して起業した人のほぼ9割が事業に失敗する。

そんな冷酷な事実をしっかり踏まえた上で読むと新たな気づきを得ることができます。

版元のミシマ社の編集者たちはシッカリした人が多いので、当然読者を惑わすようなことはしません。

キーワードは、外注です。
でも、人に使われてきた人間には「外注を積極的に利用する」という発想を、肌感覚として持てないんですね。

サラリーマン(被雇用者)には、絶対に思いつかない「発想」を得るための本です。

・自分でも高いなぁと思ってしまう価格を設定。ただし、その価格にふさわしい仕事を納品しようと頑張る方が利益率が高くなる。
・東京資本が地域の需要をすべて奪い取って東京に利益を還流させている、典型的なビジネスがコンビニである。
・どうしてもコンビニでアルバイトするなら、給与を個人の雑所得ではなく、自分の会社の売り上げにする。

このような「発想」に…

これからの人生を自分のやりたいこと、好きなことに振り向ける覚悟と責任を持った人にお奨めしたい本です。