本屋は燃えているか

ブックストアの定点観測

FIRE AND FURY

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【速報】話題のホワイトハウスの暴露本「Fire and Fury」が明日1月19日(金)新宿のBooks Kinokuniya Tokyo*1で販売されます。

当店は洋書を扱わないので実物を拝むことができません。返品できないリスクはありますが、取り寄せたら売れること間違いなし商品です。英語ができる放送局の人たちは興味津々のはず。残念。 

翻訳が待たれます。

 

*1:英米独仏伊西中国語書籍と洋雑誌を扱う洋書専門店・通称BKT 。(03)5361-3316

ブロックチェーン技術の未解決問題

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ブロックチェーン技術の未解決問題」松尾真一郎 他 著(日経BP社)

ビットコインに世間の注目が集まっています。書店の棚にもビットコイン関連書籍が並びます。

海外送金するのにも手数料がかからないという利便性がある反面、投機的な価値に目をつけて、利殖の手段として手を出す人も増えています。

 

 ビットコインのコア技術は「ブロックチェーン」。ビットコインなどの仮想通貨としての用途に限って語られていますが、実はその対象範囲は広いのだそうです。

一番の特徴は「非中央集権」にある。従来のシステムでは、どこか1カ所で全データを集中管理し、安心安全を維持していた。
例えば銀行の預金では、勘定系システムの中にすべての預金データが管理されている。
ブロックチェーンはそうした常識を打ち破った。すべての履歴を全ノードに保有することで、1人の管理者が支配する構造を変えた。

ブロックチェーンを使った新サービスがこれから次々に登場することが予想されます。しかし、ブロックチェーン技術の成熟度は高くない。インターネットでいえば黎明期程度にすぎないとの指摘がある。
そこで本書では、現時点のブロックチェーンに残されている問題を詳しく解説しています。 

 

#春風亭一之輔「いちのすけのまくら」

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「いちのすけのまくら」春風亭一之輔 著(朝日新聞出版)

NHKプロフェッショナル 仕事の流儀」で特集され、独演会は軒並みソールド・アウトと、 いま、乗りのっている噺家春風亭一之輔、初のエッセイ集。 「忖度(そんたく)」「相撲」「ノーベル賞」「解散」「〇〇ファースト」「金メダル」「〇〇ハラ」など、旬のお題に合わせて噺のように綴られていく101本の読む「まくら」(落語のイントロ)。落語を愛する俳優・東出昌大との対談も収録。

 

 

柳家小三治が「久々の本物」だと称賛し、21人抜きで真打ちに大抜てきした噺家さんです。 古典を守りながら、客の反応を見ながら絶えず現代的で新しい噺を模索し進化させていくといいます。話題の人物を発見するのも楽しみの一つです。

 

#田井中雅人、 エイミー・ツジモト「漂流するトモダチ アメリカの被ばく裁判」

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「漂流するトモダチ アメリカの被ばく裁判」田井中雅人、 エイミー・ツジモト 著(朝日新聞出版)

2011年3月11日の東日本大震災福島第一原発事故から7年。当時、アメリカ海軍の原子力空母ロナルド・レーガンなどで救援活動「トモダチ作戦」に従事した兵士らが今、放射線被ばくの影響とみられる様々な病で苦しんでいる。

東京電力などに対して救済基金設立を求める訴訟の原告は400人を超え、現時点での死者は9人に達しているが、アメリカでの訴訟の行方はまだ見通せない。

本書は、事件直後から最前線でこの動きを追ってきた2人の日米ジャーナリストによる最新報告。

東日本大震災。発生直後、約2万4000人のアメリカ軍兵士による大規模な被災地支援活動“トモダチ作戦”が行われました。

作戦に参加した原子力空母「ロナルド・レーガン」の乗組員の一部が健康状態の悪化を訴え、012年12月東京電力などに対して損害賠償を求めてアメリカ連邦地裁に裁判を起こしました。

これに対しアメリカ国防総省は、2014年に公表した報告書において「被ばくは極めて低線量で健康被害との因果関係は認められない」として裁判が続いています。

NNNドキュメント『「放射能トモダチ作戦」米空母ロナルドレーガンで何が?』(日本テレビ・2017年10月9日)放送でも取り上げられました。

ジャーナリストの津田大介氏は、「アメリカというのは自国の国益を最優先に考える国でもあるので、日本を助けると同時に、アメリカでも大規模な原発事故が起きた場合や核戦争が起こった場合のシミュレーションのデータを取るという両面からトモダチ作戦を行っていたのでは。この上層部の判断が現場の兵士に伝わっていなかった可能性があり、この両面性の犠牲になったとも言える」とコメントしています。

思い起こしたのは水俣訴訟です。巨大システムの元で引き起こされる災害において、いつの場合もしわ寄せを被るのは現場の個人です。

システム側の責任は分散されるのに対し、現場の当事者はひとりひとりの個人として災害に向き合わなければなりません。 作家・村上春樹さんが語ったように、放送が立つべき側は「壁ではなく卵の側」であることを改めて感じます。

2018キーワード辞典

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「2018年問題」「新オレンジプラン認知症」「第5世代(5G)携帯」「ホワイトハッカー」「インバウンド消費」「都市のスポンジ化」「勤務間インターバル制度」「インフラ投資銀行」「ベロシティー12(V12)」・・・・

日々刻々変化する情報社会は、新しい話題や問題を生み出し続けます。 社会の動きを反映したキーワードを覚え続けるのにも限度があります。 そんなとき役立つのが、毎年この時期に発行されるキーワード事典。就活や資格試験に必須の現代用語事典としても有名です。

デスクトップがアプリや資料で埋め尽くされているなど、修羅場の時に威力を発揮してくれるのが紙の辞典です。

「朝日キーワード2019」朝日新聞出版 編(朝日新聞出版)

「日経キーワード 2018-2019」日経HR編集部 編(日経HR)

「2018年問題」「新オレンジプラン認知症」「第5世代(5G)携帯」「ホワイトハッカー」「インバウンド消費」「都市のスポンジ化」「勤務間インターバル制度」「インフラ投資銀行」「ベロシティー12(V12)」・・・・ 日々刻々変化する情報社会は、新しい話題や問題を生み出し続けます。 社会の動きを反映したキーワードを覚え続けるのにも限度があります。 そんなとき役立つのが、毎年この時期に発行されるキーワード事典。 デスクトップがアプリや資料で埋め尽くされているなど、修羅場の時に威力を発揮してくれるのが紙の辞典です。

#キャロライン・ポール「ロスト・キャット 愛と絶望とGPSの物語」

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「ロスト・キャット 愛と絶望とGPSの物語」キャロライン・ポール 著(講談社

ネコ好き必見!ある日、5週間家出していた飼い猫のティビィがふらりと戻ってきた。一体どこに行っていたの? 飼い主は、ティビィの首輪にGPS発信機を装着。猫の謎に満ちた足取りをたどる、追跡作戦を開始した! GPSの足跡からわかった、意外な結末とは……!?かわいいイラストと、猫好きなら誰もが「あるある」とうなずくたっぷりのユーモア、そしていつか訪れる悲しい別れ。猫と飼い主の物語。

「動物の赤ちゃん」は放送番組の鉄板ネタの一つです。

企画の善し悪しはともかく、放送すると一定の視聴率が約束されているからです。

書店の一角にも写真誌コーナーがあります。こちらも人気の的はイヌやネコの写真集。

こちらも書店にとって固定客が見込める鉄板コーナーです。

もの言わぬペットは飼い主にとってはかけがえのない存在です。

人間に比べて極端に短い一生を使って、懸命に愛想を振りまき、去って行く存在に飼い主は深くイヤされるからなのでしょう。

そんな思いを抱える人から見ると、新刊本の紹介文にあるこの一節。

GPSの足跡からわかった、意外な結末とは……!?かわいいイラストと、猫好きなら誰もが「あるある」とうなずくたっぷりのユーモア、そしていつか訪れる悲しい別れ。」

には心動かされるはずです。

 

#ジェレミー・テイラー「人類の進化が病を生んだ」

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「人類の進化が病を生んだ」ジェレミー・テイラー 著(河出書房新社

2017年死去したジェレミー・テイラー氏*1は、ディスカバリー・チャンネルやラーニング・チャンネルの科学番組を数多く制作してきたBBCテレビの名物プロデューサーです。

なぜ病気に苦しめられるのか? アレルギー、不妊症、癌、心臓病など、進化から病気の原因を明らかにする、「進化医学」の最前線!をまとめたこの本は、テイラー氏の遺作となりました。

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生活様式が急激に変わりすぎて人類がそれに適応しきれないのが、様々な病気の原因だと言われます。

人間の病気は、主な原因に加えて、さまざまな要因が組み合わさって起ききます。たとえば病原菌が主な犯人としても、それを病気に結びつけるには様々な副因や誘因が作用しているのです。これを「病因論」といいます。

病因論の立場に立って病気の遠因を明らかにし,病因への理解を深める学問分野として最近脚光を浴びはじめているのが「進化医学」です。

ヒトはなぜメタボになるのか―進化から読み解くメタボ:その異常値、戻しましょう!~ STOP・メタボの12ステップ~:日経Gooday(グッデイ)

番組制作者は科学者ではありませんが、最先端の現場で今なにが起きているか見極め、科学者と共同でわかりやすく映像化する力が求められます。

世界の放送局で科学番組作りの実績を持つのが英国・BBCが取り組んだ医学の最前線は日本の放送番組に大きな影響をもたらしてくれるかも知れません。

「人はなぜ病気になるのか―進化医学の視点」

*1:著書に『われらはチンパンジーにあらず』がある。