本屋は燃えているか

ブックストアの定点観測

「世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事」

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「世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事」津川友介 著(東洋経済新報社

事実をして語らしめるというのは番組作りの鉄則だといいます。

書籍についてもおなじことです。

出典が明記されていない本はいくら説得力のある内容であっても信憑性はないといっても過言ではありません。

では事実=物証(エビデンスといいますが)がしっかり用意されていた場合はどうでしょうか。

この書籍はあくまで相関性の記述であって因果性の説明ではない。

エビデンスに基づいた良い食品・悪い食品の分類というアプローチはこの類の書籍では貴重なアプローチであり、冒頭からワクワクさせてくれる。

しかし、最終的な結果としては
・白米より玄米が良い
・青魚は体に良い
・オリーブオイルは体に良い

・・・・・これ、もう皆知ってることでは?

 知っていることの裏付けを取る本として捉えると著者のメッセージが頭に入ります。

 

#菊澤研宗「改革の不条理 日本の組織ではなぜ改悪がはびこるのか」

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「改革の不条理 日本の組織ではなぜ改悪がはびこるのか」菊澤研宗 著(朝日新聞出版)

日本軍の不条理を分析した『組織の不条理』につづき、著者が現代の不条理を分析した本です。

 

醸成される“空気”、放置される非効率、はびこる不正、まかり通る無責任、報われない努力…。相撲協会希望の党、大学改革、神戸製鋼、大和特攻などの具体的事例が提示されており、イメージしやすく分かりやすい。

 

山本七平氏が「空気」と呼んだものが、一つ一つ説明されていくところは痛快でもある。改革を改悪に、挫折させないためにはどうすべきかいろいろと考えさせられた。

 

 

#プロジェクト“空” 「奇跡のレシピ 京都 祇園3年間だけのレストラン「空」」

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「奇跡のレシピ 京都 祇園3年間だけのレストラン「空」」プロジェクト“空” 著(KADOKAWA

京都に出現した究極のレストラン「 空 」@祇園の写真集。

料理番組のゲスト調理人として放送局でもお見受けした名だたる料理人たちが勢揃いしています。

さて、この「空」@祇園というお店はどこにあるのでしょう。

週替わりに星付きシェフや予約困難なお店のシェフたちが全国からやってきて、その時だけのスペシャルなお料理(しかもジャンル問わず)を出してくださるそう。聞いた所、今日本で一番取れないお寿司や和食、フレンチ、イタリアン、そうそうたる方々が厨房にたたれます究極のレストランへー、祇園「空」 | グルメ&ワイン!マスコミで働く「みっきー」のブログ

かなりクローズドなお店のようです。

内容抜粋
「厄除け笑門来ふく」●佐々木 浩 (祇園さゝ木)
「中華おでん」●齊藤博人(齋華)
鮨屋の究極の九絵懐石」●青木利勝(銀座 鮨 青木)
「チンタネーゼの生ハムの会」●山口正(やまぐち)
「懐石仕立てのフランス料理」●ティエリー・ヴォワザン(帝国ホテル 東京 レ セゾン)
「春・爛漫!」●輿水治比古(燻)
「春の芽吹きと乾貨の旨み」●脇屋友詞(Wakiya)
「尾崎牛 モツ・キュイジーヌ」●小霜浩之(Koshimo plus)
「春を惜しむ」●松尾英明(柏屋)
「枠に囚われない組み合わせ」●小野嘉之(エクアトゥール)
「常識を疑ってみる」●徳岡邦夫(京都吉兆)
「山の食材×海の食材」●坂辻亮(Ristorante t,v.b)
「通風万歳!!」●関孝明(祇園 一道)
「期待と裏切り」●坂本 健(チェンチ)
「大空の太陽のかおりをのせて」●山本典央(炭火割烹 いふき) 

あらためて、料理は芸術=アートに近いことがわかります。 

 

#北川悦吏子「 半分、青い(上)」

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「 半分、青い(上)」北川悦吏子 著(文藝春秋

「続編はいつでるの」という問い合わせが多い本です。

純粋で不器用な主人公の物語。

時代背景も近いので感情移入がしやすいのでしょうか。

中高年は昔を思い浮かべながら、

若手世代は自分たちのことと受け止めながら手に取られます。

仕事として北川さんの本を読む常連さんが多い放送局の書店ではありますが、

自分の楽しみとして買われる新しいお客さんも増えている気がします。

 

「半分、青い。」(上)5月10日文春文庫より発売! | 北川悦吏子オフィシャルブログ「でんごんばん」Powered by Ameba

 

#岩崎勝彦「おごと温泉の地域革新」

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おごと温泉の地域革新」岩崎勝彦 著(中央経済社

 

#大貫良夫「アンデス古代の探求 - 日本人研究者が行く最前線」

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アンデス古代の探求 - 日本人研究者が行く最前線」大貫良夫、希有の会 編集(中央公論新社

美術番組などで紹介される古代の遺物は、膨大な出土品の中から選りすぐられたものの一つです。

研究者たちは膨大な出土品を丁寧に掘り起こし、保存のための処理を行い記録するという気の遠くなる作業に明け暮れます。

番組制作はいわばその上前をはねるというか、いいとこ取りをすることにほかなりません。

しかし、研究者の方々は番組の無理なお願いに答えて、さまざまな便宜を図ってくれるのだそうです。

一般庶民からすると、古代史などは遠い存在です。知らなくても生活に支障がないわけです。

そんな人たちに自分たちの作業を通じて、人々が生きてきた過去を伝え、人間というものの不思議に関心を持って貰うことができる手段は番組であることを研究者たちはよく知っているのです。

 

#おさだゆかり「わたしの北欧案内 ストックホルムとヘルシンキ」

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「わたしの北欧案内 ストックホルムヘルシンキ」おさだゆかり 著(筑摩書房

北欧家具がブームなのだそうです。

北欧家具が日本ではやり始めたのは10年以上前のこと。

シンプルなつくりは流行に流されにくく、他のインテリアとも合わせやすいからだと言います。

しかし、それ以上に長い冬を過ごす北欧のライフスタイルが、

いまの若い世代の価値観とうまく合ったからなのかもしれません。

大量消費のくらしを選ばず、モノを持たず、自分が気に入ったものを愛着を持って使う感覚は、どのように生まれたのか。

北欧の暮らしを辿るとその秘密が見えてくるかも知れません。