本屋は燃えているか

ブックストアの定点観測

2017-07-01から1ヶ月間の記事一覧

新 もういちど読む 山川日本史

「新 もういちど読む 山川日本史」山川出版社 // 高校の日本史教科書を,一般読者のために書き改めた通史。1冊で日本の歴史を簡潔に叙述し,その全体像を示す。新コラム・カラーページ追加で,初版から8年ぶりのリニューアル改訂。 放送局員にとって8月は歴史…

月の満ち欠け

// 「月の満ち欠け」 佐藤正午 著(岩波書店) 第157回直木賞に選ばれた「月の満ち欠け」が入荷しました。いつもと違って部数は少なめです。というのもこの本はいつものような配本ではなく、買い切り。つまり書店の責任で売り切らないと行けない本だからです…

その企画、もっと面白くできますよ。

// 「その企画、もっと面白くできますよ。」中尾孝年 著(宣伝会議) 目次 【はじめに】「面白い」は世の中を動かす無尽蔵のエネルギー【第1章】ビジネスにおける「面白い」とは何か【第2章】「面白い」を機能させる【第3章】面白くする技術・実践編~「面白…

カレーが人気の夏が好き

雑誌コーナーを眺めると、カレーを全面に押し出した表紙が目にとまります。 // 猛暑の夏には、辛いカレーをモリモリ食べて、ガーッと汗を流せば爽快かつ夏バテ知らず、というわけです。 香辛料をチョイスして、具材を上手に替えることで全く違った味わいを作…

8月の「このマンガがすごい」ランキング・オンナ編

8月の「このマンガがすごい」ランキング・オトコ編 オンナ編 第1位 // 「ねぇ、ママ」池辺葵 著(秋田書店) 愚直で、凡庸で、時に狡猾で。それでも母親はすべての子供たちを照らす優しい光。「母」をモチーフにした珠玉の短編集。かつて子供だった母親と…

皆殺し映画通信 地獄旅

// 「皆殺し映画通信 地獄旅」柳下毅一郎 著(カンゼン) この映画作った奴、いますぐ切腹しろ!!観たら地獄のジコマン映画が暴走中!今年も待ってました!映画評論家・柳下毅一郎が日本映画を斬って斬って斬りまくる殺しのレビュー50連発! ! 『青空エール』『…

週間ベスト10 2017.07.25

ランキングです。 東京堂書店神田神保町店調べ(7月25日) // 1「ランチパスポート 神保町・お茶の水」(DRCマーケティング) 2「人生散歩術 こんなガンバラナイ生き方もある」岡崎武志 著(芸術新聞社) 3「日常学事始」荻原魚雷 著(本の雑誌社) 4「…

ピアリス

// 「ピアリス」萩尾望都 著(河出書房新社) ピアリスがぼくのような目にあってませんように。決して決して、ぼくのような目にあってませんように。“ユーロ カルカーシュの予言者”より。願いに力があるのなら、あたしは一番にこのことを願おう。いつか、ユ…

8月の「このマンガがすごい」ランキング・オトコ編

オトコ編 第1位 // 「1日外出録ハンチョウ」福本伸行、萩原天晴、上原求、新井和也 著(講談社) 地の獄…! 底の底…! 帝愛地下労働施設…! 劣悪な環境である地下にいながら「1日外出券」を使い、地上で贅の限りを尽くす男がいた…! その名は大槻…! E班・…

拡張するテレビ

// 「拡張するテレビ ― 広告と動画とコンテンツビジネスの未来 ―」境治 著(宣伝会議) 目次 序章 テレビは拡張している第1章 SVOD二年目、第二幕第2章 テレビ番組のネット配信第3章 テレビ視聴の変化と新しい視聴計測による広告業界の変化第4章 二度目の動…

123人の家 vol.2

// 「123人の家 vol.2」日販アイ・ピー・エス インテリアショップ「アクタス」で働く社員の家を撮影・編集した「123人の家」待望の新刊です。 インテリア雑誌を眺めていると、こんな暮らしをしてみたい気分になります。プロのインテリアコーディネーターが仕…

コンプレックス文化論

// 「コンプレックス文化論」武田砂鉄 著(文藝春秋) 文化はコンプレックスから生まれる。天然パーマ、背が低い、下戸、ハゲ、一重(ひとえ)、遅刻、実家暮らし、親が金持ち……これまで腰を据えて熟考されることのなかった10個のコンプレックスに向き合い、数…

美術展ガイド誌"夏の陣"

その体験は、まだ見ぬ世界への扉になる・・・夏休みを近場で過ごしたい人には美術館がぴったり。常設展とは別に著名な絵画を集めた特別展で個性を競います。出版各社も、今年後半の展覧会をまとめたガイド企画を打ち出して、アート鑑賞を助けます。作家の思…

週間ベスト10 2017.07.18

ランキングです。 東京堂書店神田神保町店調べ(7月18日) // 1「ランチパスポート 神保町・お茶の水」(DRCマーケティング) 2「〈淫靡さ〉について (はとり文庫 5) 」工藤庸子 著(羽鳥書店) 3「蔵書一代―なぜ蔵書は増え、そして散逸するのか」紀田順…

表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬

// 「表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬」若林正恭 著(KADOKAWA) 読者の共感を呼んだ前作「社会人大学人見知り学部 卒業見込」を出発点に、新たな思考へと旅立ったオードリー若林の新境地! キューバはよかった。そんな旅エッセイでは終わらない、…

珍しい日記

// 「珍しい日記」田中珍彦*1 著(木楽舎) 世界初、門外不出のドイツの至宝バイロイト祝祭劇場を、そっくり日本に引っ越しさせた、苦難と痛快の実録奮戦記。1989年9月3日、東急文化村グランドオープン。柿落としを飾る、ワーグナーのオペラ・タンホイザーが…

Mr.トルネード 藤田哲也 世界の空を救った男

佐々木健一ディレクターの本です。 「Mr.トルネード 藤田哲也 世界の空を救った男」佐々木健一*1 著(文藝春秋) 藤田哲也という天才科学者(1920-1998)がいた。専門は気象学。32歳のとき渡米し、シカゴ大学の教授にまで上り詰め、「Mr.トルネード(竜巻)」と…

スパイ大事典

// 「スパイ大事典」ノーマン・ポルマー 著(論創社) 本書は日本で初めてのスパイに関する本格的な事典です。 歴史的事件の裏で、秘密裏に暗躍したスパイに関する事項を多数の写真、図版と共に収録。 ●1900以上の項目を50音順に収録! ●国立公文書館、FBI、N…

新貧乏物語――しのび寄る貧困の現場から

// 「新貧乏物語――しのび寄る貧困の現場から」中日新聞社会部 編(明石書店) 私たちの社会を確実に蝕み続けている貧困問題。最近大きく取り上げられるようになった子どもの貧困のみならず、あらゆる世代にわたって、貧困に苦しむ人たちが増えている。だが、…

新きっぷのルール ハンドブック

// 「新きっぷのルール ハンドブック」土屋武之 著(実業之日本社) 「営業キロ+換算キロ」は乗車券だけ?特急券は?三セクや私鉄を通過する列車の運賃はどう計算する?旅行途中で列車がトラブル、運転打ち切りになったら?18きっぷで乗れるのはどこ?きっぷは考…

自分を好きになろう うつな私をごきげんに変えた7つのスイッチ

// 「自分を好きになろう うつな私をごきげんに変えた7つのスイッチ」岡映里 著、 瀧波 ユカリ 画(KADOKAWA) 『境界の町で』で鮮烈なデビューを果たした岡 映里が、うつ症状と向き合い「ごきげん」な自分を取り戻すまでの試行錯誤の1年半を書き下ろした、…

週間ベスト10 2017.07.11

ランキングです。 東京堂書店神田神保町店調べ(7月11日) // 1「楽天の日々」古井由吉 著(キノブックス) 2「蔵書一代―なぜ蔵書は増え、そして散逸するのか」紀田順一郎 著(松籟社) 3「今日はヒョウ柄を着る日」星野博美 著(岩波書店) 4「鮎川哲也…

ブラックボックス化する現代 変容する潜在認知

// 「ブラックボックス化する現代 変容する潜在認知」下條信輔*1 著 (日本評論社) 私たちの現代社会は巨大化し複雑化して、作動原理がわからないブラックボックスと化してきたのではないか。そして私たち自身の深層心理をも、受け身の反応マシンのようなも…

急いでデジタルクリエイティブの本当の話をします。

// 「急いでデジタルクリエイティブの本当の話をします。」小霜和也 著(宣伝会議) 広告業界や企業のマーケティング部署はまさにいま、「デジタルクリエイティブ」の見直しが求められています。まず目の前の課題は、「Web動画」をいかに「WebCM」にするかで…

鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。

// 「鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。」川上和人 著(新潮社) 出張先は火山にジャングル、決死の上陸を敢行する無人島だ!知られざる理系蛮族の抱腹絶倒、命がけの日々!すべての生き物好きに捧げる。 「バッタを倒しにアフリカへ」 前野ウルド浩…

バッタを倒しにアフリカへ

表紙の人物を見てフラッと連想したのが仮面ライダーでした。"バッタを倒し"にというコピーが想起させたのかもしれません。目を凝らして見直すとどう見ても写真の人物はライダーではありません。でもなんとなしに著者のサービス精神が感じられる一冊です。 //…

人形の国 7月のこのマンガがすごい

オトコ編一位 // 「人形の国(1)」弐瓶勉 著(講談社) 遺跡層におおわれた巨大人工天体「アポシムズ」。危険な「自動機械」や「人形病」に侵された者たちが彷徨う極寒の地表で暮らすエオ、ビコ、エスロー達は行軍訓練のさなか、強大なリベドア帝国の兵士…

史群アル仙のメンタルチップス ~不安障害とADHDの歩き方~ 7月のこのマンガがすごい

オンナ編一位 // 「史群アル仙のメンタルチップス ~不安障害とADHDの歩き方~」史群アル仙 著(秋田書店) 不安障害とADHDを抱える、著者による自身の過去から現在に至る体験をつづったエッセイマンガ。 学校生活ではまわりにうまく合わせることができず、…

IT全史 情報技術の250年を読む

// 「IT全史 情報技術の250年を読む」中野明*1 著(祥伝社) 産業革命のあと、フランスで腕木通信と呼ばれる技術が誕生したのが1794年。そして、レイ・カーツワイルが主張する「シンギュラリティ」、すなわちコンピュータの能力が人間を超え、これまでとまっ…

映像の境域

// 「映像の境域」金子遊 著(森話社) 映像と言語、映像と芸術、映像と記録、政治と前衛、土地と伝統、民俗と信仰、その境域にたちあがる現代の相貌。映像表現の可能性を拡張したアヴァンギャルド映画や、様々な問題を含みこむ現代映画をその背景から捉え直…