本屋は燃えているか

ブックストアの定点観測

2016-04-01から1ヶ月間の記事一覧

週間ベスト10

新書部門のランキングです。 福岡丸善博多店調べ(4月10日~16日) // 「家族という病2」下重暁子 著(幻冬舎)幸せな家族を幻想し、理想の夫婦像、親子関係を築かねば、とストレスを高じさせる日本人。本書では、家族のしがらみや囚われの多い日本の実態を…

週間ベスト10

新書部門のランキングです。 京都・アバンティブックセンター京都店調べ(3月21日~27日) 売れ筋の本は書店によって異なる場合があります。タイミングや土地柄、読者層の違いなど様々です。京都のこの書店のランキングはいかにも京都らしいと信じてしまうよ…

面倒くさがっていては何も進みませんよ

大型連休前です。書店を訪れるお客さんの数も気持ち寂しいような感じがします。書店員はレジのデータを見ながら、黙々と本の整理です。ビジネス書のベスト5と歌ってはいますが、日経新聞を片手にしたサラリーマンはほとんどやってこない書店です。仕方がな…

本の総合ランキング

トーハンe-hon調べ(4月7日~13日) // 取次大手のトーハンはe-honという全国ネットワークを運営しています。書籍の流通にまつわる情報はe-honサイトである程度つかむことができます。ランキングも見ることができますが、書店で扱われている商品もランキング…

第20回手塚治虫文学賞決まる

手塚治虫文学賞が決まりました。マンガ大賞は「鼻紙写楽」と「よつばと!」の2作品が受賞しました。2作品とも書店では取り扱っていない書籍(コミック)です。制作系の放送局員には相当の知見を持つ読者がゴロゴロいます。売り場面積が少ないことなどから…

ネット古書購入の罠

書店に並んだ本の表紙を見つづけていると本に対する関心が深まります。懐具合と相談しながら、手に入れるべき本は手に入れます。店頭に並んでいない本は近くの新古書店で捜します。しかし、新古書店は在庫が微妙なので、ネット古書店を利用することも増えま…

一般書ベスト5

一般書のベスト5です。 「安倍政治と言論統制 (テレビ現場からの告発!)」『週刊金曜日』編(金曜日)テレビが安倍政権の問題点をまるで批判しなくなってしまった「現在」の危機的状況について書かれています。第一章は内部資料による具体的事実を積み重ねる…

制作者の心を動かす本

『「感情」から書く脚本術 心を奪って釘づけにする物語の書き方』カール・イグレシアス 著(フィルムアート社)訳者の島内哲朗氏からメッセージをいただきました。 『「感情」から書く脚本術』の肝は観客以前に制作者の心を動かせという事ですが、本書で解説…

週間ベスト10

フィクション部門のランキングです。 丸善丸の内本店調べ(4月7日~13日) // 北斎の三女にして「江戸のレンブラント」と賞された天才女絵師・葛飾応為は作家の好奇心を刺激するようで、様々な形で取り上げられています。女性の立場が今とまるで違った封建社…

古書をガイドに古書店探訪

出歩くには最適の陽気です。見知らぬ街の本屋を探索するのも悪くありません。新古書店の雑誌コーナーで発見したのが「OZmagazine(オズマガジン)2014年3月号」です。 // 「本屋さんに行くのは、寄り道と似ています。ぶらぶらするだけで、発見がたくさん。…

連休は本を読め

番組制作のハンドブックや映像論などといったメディア関係の本の品揃えには自身がある書店です。大型連休を控えたこの時期は大量に本を買われる放送局員がいて、書店はかなり期待しているのだと聞きました。 書店が推す本を3点紹介します。 // 「『感情』か…

作家に会いに行く本

漫然と店頭を眺めていたことを改めて感じさせられた本があります。 // 「宮沢賢治」中島敦 著(河出書房新社)は河出書房新社が葬儀用130周年を記念して刊行中の日本文学全集のうちの一巻です。2014年1月からほぼ月1冊のペースで出版予定ですが、興味深いの…

期待の新刊2冊

新刊書が店頭に並びました。書店員はいつものように期待を込めています。2冊を紹介します。 「アカガミ」窪美澄 著(河出書房新社) // 渋谷で出会った謎の女性・ロダに勧められ、ミツキは国が設立したお見合いシステム「アカガミ」に志願した。しかし、こ…

週間ベスト10

文庫部門のランキングです。 名古屋・三省堂書店名古屋髙島屋店調べ(4月3日~9日) // 当書店では扱っていないジャンルの本がライトノベルです。七月隆文(ななつき たかふみ)氏の文庫本が10位にランクイン。ライトノベルにはあまり詳しくはないのですが、…

地方を消滅させない極意とは

書店の最新ランキングです。ビジネス書のベスト5が出ました。 左から 「大学4年間の経済学が10時間でざっと学べる」井堀利宏 著(KADOKAWA/中経出版) 「幸せになる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教えII」岸見一郎 著(ダイヤモンド社) 「嫌われる勇…

週間ベスト10

総合部門のランキングです。 日販調べ(4月4日~10日) // 5位に入った「世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ」はニュースショーなどでも取り上げられてちょっとしたブームになりました。当然、ブームにあやかるような出版もあるわけで、本書もその類いか…

物欲と整理欲

店内の片隅にある「書店の本」のコーナーは、書店員たちの趣味が形になったコーナーです。ですから売れずに返品される本と違って、展示期間がものすごく長いという恩恵を受けているように思えます。その棚に登場したのが、 「無限の本棚」とみさわ昭仁 著(…

災害時の必需本

ひとたび災害が起きると放送局の仕事は災害報道一色になります。出来るだけ早く正確な情報を提供するためにおおぜいの放送局員が仕事をシフトします。本屋にも影響が出てきます。 // いちばんわかりやすいのが地図の動きです。地震や洪水など被害が広範囲に…

本の「読」を「毒」と読む

買い置きした本は堆積物の中に埋もれた化石のようなものかもしれません。ツイッターに「本を大量に買い込んで置いておくと、読みやすいものから消化され、読むのに骨の折れるものが残される」とあるのを見て膝をたたきました。 // 放送史という堆積物を掘り…

本屋大賞は 「羊と鋼の森」宮下奈都 著(文藝春秋)

是非はともかく、本屋大賞が発表されました。投票には参加しなかった書店員は「本が売れればそれでいい」と喜んでいます。 「全国書店員が選んだ いちばん!売りたい本 2016年本屋大賞」の発表会を、4月12日(火)明治記念館にて行いました。一次投票には全…

ネットで読むか、紙で読むか

本屋大賞がまもなく発表されます。今年のキーワードは「ウェブ小説」だと思います。 // 「インターネット上で公開された作品が書籍化されていてそれが売れている。それも文芸作品の半分以上も占める勢いだ。」という話を知人にしたところ驚かれました。作家…

週間ベスト10

ビジネス書部門のランキングです。 オリコン調べ(3月21日~3月27日) // 「結局、「すぐやる人」がすべてを手に入れる」藤由達藏*1著(青春出版社)数多くの人々に行動力を高める指導をしている著者の独自のノウハウで、10秒で行動に移す方法と不安を消す方…

QJというサブカルチャーの殿堂

世の中の常識としての「文化」に対して、一部の人たちの間で培われた文化があります。サブカルチャーと呼ばれる価値観です。時に「きわ物」扱いされることもありますが、暮らしや生活を大きく変える力を秘めています。 // 「サブカルチャー」を堂々と看板に…

週間ベスト10

総合部門のランキングです。 // トーハン調べ(3月27日~4月2日) 政治家の行為や行動にはそれ自体に政治的な意味が隠されています。「なぜ今か」「なぜこのテーマ」なのかとナナメから眺める姿勢が大切なように思えます。 4月1日の「金スマ」は600回記念と…

週間ベスト10

文庫部門のランキングです。 // 横浜・有隣堂伊勢佐木町本店調べ(3月13日~3月19日) 「始末: 吉原裏同心(二十四)」佐伯泰英 著(光文社) 「町奉行内与力奮闘記二 他人の懐 」上田秀人 著(幻冬舎)「他人の懐へ手出ししてきたのはそちらではないか」。江…

悩める創作者のための新しい類語辞典

本は衝動買いで買われる商品なのだそうです。暇つぶしに立ち寄った本屋で気がつくと何か買っていたという経験は誰にでもあるはずです。 人間を描くあらゆる創作者にとってよき友となる新しい「辞典」という惹句にさそわれて手に入れてしまったのがこの本。 …

原作本を支える宣伝材料(宣材)

テレビドラマの原作本のコーナーは、日替わりのように新しい本が登場しています。出版社も映像関連の出版物には相当力を入れているようで、ポスターや宣伝用のノベリティが送られてきます。書店のスペースは広くないため、せっかく送られてきた宣伝材料も掲…

春ドラマ原作本・続

ドラマを見てから本を買う人と、見る前に読む人の割合が拮抗している放送局の書店です。春ドラマの原作本がどんどん入荷中です。一覧表に最新情報を追加しました。紹介済みは青字です。内容はこちらをご覧ください。 tanazashi.hatenablog.com // 「念力家族…

暗号と歴史の謎に迫るベストセラー

最近の売れ筋 // 上から、「新書・文庫」「文芸・一般書」「ビジネス書」です。 文芸・一般書は、プロ野球シーズンが始まったばかりということで、選手名鑑が伸びています。個人のお客さんというより業務用での受注が大きいようです。ビジネス書は自己啓発系…

ネコでゆるーく歴史が学べる

コミックをほとんど扱わない書店ですが、放送番組とつながりがあるなら話は別です。一列しかないコミック棚の、それも目の高さに表紙を向けて陳列中なのが「ねこねこ日本史」そにしけんじ 著(実業之日本社)です。 // 4月から始まる新番組。ニュースだドラ…