本屋は燃えているか

ブックストアの定点観測

2016-03-01から1ヶ月間の記事一覧

映画を原作本で読んでみよう

最近売れ筋の「映画原作本」が棚に並びました。面陳です。 (筆者注:「私を話さないで」はテレビドラマです) 「家族はつらいよ」小路幸也 著(講談社)長年連れ添った妻の誕生日の夜、平田周造は離婚届を突き付けられた。翌朝、犬の散歩に出ようとすれば次男…

新書大賞を手に入れた

以前「週間ベスト10」で報告した「京都ぎらい」。「新書大賞*1」を受賞しました。数ある新書を押さえ、発売約1か月で6刷の増刷を重ね、関西圏を中心に異例の売れ行きを見せてトップの座を射止めました。 // 朝日選書は深紅のピンストライプがおしゃれな新…

とと姉ちゃんがやってくる

春ドラマ直前。ガイドブック全開中。 // 広告を一切載せず、一人ひとりの読者と向き合うことで、雑誌が売れないと言われる現在も、16万5000部を発行し続けているのが雑誌「暮しの手帖」です。その創刊者である大橋鎭子(しずこ)、花森安治をモデルとしたフ…

番組制作者の裏テキスト

放送局の書店には、映像関連本のコーナーがあります。「ドキュメンタリー・ストーリーテリング」(画面右)のような正当派の映像制作ガイドブックが並びますが、たまに「あれっ」という本が並ぶことがあります。 // ドキュメンタリーや情報系番組の作り手に…

週間ベスト10

新書部門のランキングです。 日販調べ(3月7日~3月13日) // KADOKAWA/アスキー・メディアワークスから3作品がトップ10入りしています。「魔法科~」「ソードアート~」の2作品はアニメ化され公表を集めたシリーズです。メディアミックスが成功した良い…

週間ベスト10

新書部門のランキングです。 大阪・紀伊國屋書店梅田本店調べ(3月7日~3月13日) // 大阪のベストセラーは土地柄が反映しています。10日発売されたばかりの新書がいきなり首位。阪神鳥谷敬内野手(34)が自身初の書籍を執筆しました。「プロ入り後初めて…

空前のネコ本ブーム

猫の人気がいよいよ本物です。入り口そばの趣味の本コーナーがペット写真本に占領されてしまいました。 // 棚ざし面陳でいいとこどりしているのは「世界の美しい猫」ダーリーン・アーデン&ニック・メイズ 著(グラフィック社)ペルシャ、ブリティッシュ・シ…

イチオシ春ドラマ

古株の書店員曰く「こんな書店員は絶滅した・・・でも大切なことなんだよね」なのだそうです。 // みんなは平台ばかりを気にするが、棚の並べ方だって大事なことだ。五ミリのラインで一直線に並べる。しおりのヒモが背の側に垂れていないように、スリップは…

春ドラマ原作本

ドラマを見てから本を買う人と、見る前に読む人の割合が拮抗している放送局の書店です。春ドラマの原作本がどんどん入荷中です。 // www.amazon.co.jp // 「BARレモン・ハート SEASON2」 BSフジ シリーズ累計865万部を超え、酒好きの大人達から圧倒的な支…

週間ベスト10

ビジネス書部門のランキングです。 東京・文教堂書店浜松町店調べ(2月28日~3月5日) // 「みんなを幸せにする資本主義―公益資本主義のすすめ」大久保秀夫*1著(東洋経済新報社)米国型株主重視経営は企業や社会をダメにする! いまこそ経営者が真剣に考える…

週間ベスト10

総合部門のランキングです。 トーハン調べ、総合部門(2月28日~3月5日) // 嵐の関連本が新登場した以外は目立った動きがありません。 「天才」石原慎太郎 著(幻冬舎) 「おやすみ、ロジャー 魔法のぐっすり絵本」カール=ヨハン・エリーン 著(飛鳥新社) …

医者のホンネを聞く本

放送の仕事は情報の「橋渡し」でもあり「穴埋め」でもあります。 新人の頃よく聞いたのが、「番組づくりは、もらい屋であり、拾い屋だ」というたとえでした。犬のように鼻をきかせて落ちているものを拾い、持たざる第三者に手渡すといえば酔狂な稼業です。自…

書店員の聖地

書店の一番奥の棚は書店員にとっての聖地です。 // 編集者、出版社員、書店員、古本屋経営、読書家・・・「本」を偏愛する人たちのコーナーです。分類するなら業務用書籍とでも言うべきなのでしょう。じゃんじゃん売れる本とは言えない本ですが、書店員はこ…

全米で最も住んでみたい都市

「Spectator」vol34はポートランドを特集しています。 // なぜポートランドの特集なのでしょうか?ちょっと興味をそそらました。ポートランドはオレゴン州北西部にある人口61万人の都市です。”全米で最も住んでみたい都市”に選ばれる街。2013年アメリカの…

女子力は破壊力

「……ったく、……この、未熟者めが! 」さて、この文章は何という作品のラストでしょう?古今東西の名作137冊をラストの一文から読み解く、丸わかり文学案内。名作は〝お尻〟を知っても面白い! 歌謡曲の冒頭のフレーズを聴いて、曲目を当てるテレビ番組がありま…

【番外】今から用意、退職後のマネープラン

最近、定年の周辺世代の相談に乗ることが多くなりました。質問者には「これを読め」と、ライフプラン関係の本を紹介しています。 「日経おとなのOFF3月号、100歳まで金持ち老後」(日経BP社)が比較的わかりやすかったので、内容を説明材料に絵解きし…

教師となった青年の挑戦がパワーアップ

週明けの本屋はアドラー一色です。 うまくいかないことや悩み事を抱えた人が多いことがわかる本。累計100万部越えを達成した「嫌われる勇気」の続編が登場しました。初版は8万部といいますから出版社はかなり強気です。 「幸せになる勇気―――自己啓発の源流「…

世界を見通すナビゲーター

書店員は掃除好きです。掃除と行っても読者から見れば店先に並んだ本の配置換えにすぎませんが、暇があればこっちの本をあっちに置いたり、あっちの本をこっちに並べたりして「疲れた疲れた」言っているのだから世話がありません。 まず文芸の平台から見る。…

週間ベスト10

ビジネス書部門のランキングです。 東京・文教堂書店浜松町店調べ(2月28日~3月5日)

週間ベスト10

文芸・小説部門のランキングです。 オリコン調べ(2月22日~28日)

彼らは何をしてきたのか

「事実をして語らしめよ」とは取材に当たるものが持つモノサシです。その事実が見えにくいのが近現代史のジャンルです。象をなでるように、取材者はさまざまなモノサシを使って核心に迫って行きます。 平台に登場した辺見庸氏の「1937」。発売と同時に売…

江戸の天才絵師になりきろう

放送局の本屋はアート関係が充実しています。博覧会や美術展など放送局が主催・後援するイベント・文化事業があるからです。イベントにともない関連本の問い合わせも増えます。今年の目玉は「若冲*1」です。 若冲は色鮮やかな鶏など動植物を精密なタッチで描…

必ず置いてある本

一般書店で見つからなくても、放送局の書店に必ず置いてある本が三冊あります。 アナウンサーや記者など、放送を送り出す側の必携品の辞典です。

「机上の空論」といって座学をバカにするな・・という本

書店員も「びっくりポン」というほど、ビジネス書部門の首位に忽然と姿を現したのがこの本です。 「大学4年間の経済学が10時間でざっと学べる」井堀利宏*1 著( KADOKAWA/中経出版) 著者が東大で20年以上教えてきた「ミクロ」「マクロ」のエッセンスを、ぎ…

新書・文庫のベスト5

新書ランキングです。 ドラマ関連の文庫本がよく売れる放送局の本屋です。今月はその中でも特に売れ行きを伸ばしているのが「精霊の守人」です。ランキングを見るとこの通り。

本屋のフットワーク

読売巨人、清原和博、高木京介、野球賭博、渡邊恒雄辞任・・・かつての栄光は今や地に落ちたものです。おごれる者は久しからず。世の中の動きに敏感なのも放送局の本屋の特徴でしょうか。面陳の棚の本が入れ替わっています。「配本されてきた箱の中に、たま…

週間ベスト10

新書部門のランキングです。 丸善丸の内本店調べ、新書部門週間ベスト10(2月11日~2月17日)

作家のインタビュー

雑談相手の書店員は、海外ミステリーのヒット作家ピエール・ルメートルのインタビュー記事が興味深かったといいます。 「その女アレックス」の出版のため来日したルメートルに「ダビンチ」*1がインタビューした記事です。「暴力」「死」「視点」「悪」という…

新刊本登場

平台の景色が変わり始めました。

週間ベスト10

新書部門のランキングです。 大阪・ジュンク堂書店大阪本店調べ(2月21日~27日)