本屋は燃えているか

ブックストアの定点観測

#西村創一朗「複業の教科書」

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「複業の教科書」西村創一朗 著(ダイヤモンド社

世の中に副業で儲けようという本があふれています。

それもそのはず、政府が昨年副業解禁*1を出したのです。

働き方改革により副業が禁止されていた企業でもだんだんと副業が推進されつつあります。

多くの企業にとって副業解禁はこれまで対岸の火事でした。ところが「向こう岸で燃えてい他のは火事ではなく、お祭り騒ぎでした」という時代を迎えることになったのです。

今後この流れはどんどん加速して行くはずです。

 

長時間労働撤廃、リモートワーク解禁という流れは何も個人を守るためのものではなく、約束を守れない企業の白旗なのです」という指摘は、日本を取り巻く労働環境の状態を冷静に分析しています。

 

ところがこれまで副業禁止のルールに縛られていた従業員にとって、何をどうしたらいいかわからないというのが正直な所ではないでしょうか。

中には内職のようなイメージを持つ人も少なくありません。

本書は、副業ではなく、複業という言葉を使って、これからの働き方や働き方を実現するための方法を提案しています。

本業から離れず、なおかつ個人が自分の好きや能力を活かせる仕事に集中できる環境を作ることで、新たな仕事と本業とを足し合わせた価値を創造するのが複業の持つイメージです。 

眠っていた自分を揺さぶり起こしてくれるナビゲーターと行ってもいい本かもしれません。

 

2018年、副業における〝常識〟が180度変わりました。
政府が示す〝就業規則のひな型〟であるモデル就業規則の変更です。

旧 「許可なく、他社の業務に従事しないこと」
           ↓
新 「勤務時間外に、他社の業務に従事できる」

今後さらに副業解禁を決断する企業が増えることは間違いないでしょう。

今の仕事を捨てることなく、
しかし、それだけにしがみつくことなく、
稼ぐ力を身につけ、
新たにスキルアップや出会いの経験を増やしていくキャリアルート。

「やりたいこと探し」や「適性チェック」にぴったりの機会にもなる、
ほぼノーリスクの方法が「複業」なのです。

*1:2018年1月に厚生労働省が公開した「副業・兼業の促進に関するガイドライン