本屋は燃えているか

ブックストアの定点観測

2017-02-01から1ヶ月間の記事一覧

類は友を呼ぶ「住友銀行暗黒史」「野村證券第2事業法人部」

自分のカネではないものを扱ううちに、一部の人の中にはカン違いする人が出てきます。カネは弱い人をたぶらかす魔物です。末端の人がカン違いすると監獄が待ちかまえていますが、ある程度の地位にいる人たちがグルになるとやっかいなことになります。おかし…

3月の「このマンガがすごい」ランキング・オトコ編

// 1「不滅のあなたへ」大今良時*1 著(講談社) 2「とんがり帽子のアトリエ」白浜鴎*2 著(講談社) 3「映像研には手を出すな!」大童澄瞳 著(小学館) 4「ゴールデンゴールド」堀尾省太*3 著(講談社) 5「BEASTARS」板垣巴留 著(秋田書店) 6「田…

週間ベスト10

経済・経営・ビジネス書部門のランキングです。 東京八重洲ブックセンター本店調べ(2月12日~18日) // 1「「言葉にできる」は武器になる。」梅田悟司 著(日本経済新聞出版社) 2「カルロス・ゴーンの経営論 グローバル・リーダーシップ講座」公益財団法…

第21回手塚治虫文化賞 候補8作品

第21回手塚治虫文化賞 「クジラの子らは砂上に歌う」梅田阿比 著(秋田書店) 「ゴールデンカムイ」野田サトル 著(集英社) 「SAD GiRL」高浜寛 著(リイド社) 「昭和元禄落語心中」雲田はるこ 著(講談社) 「トクサツガガガ」丹羽庭 著(小学館) 「ど…

週間ベスト10

ランキングです。 東京堂書店神田神保町店調べ(2月21日) // 1「デザインのひきだし30」グラフィック社編集部 編(グラフィック社) 2「果てしなき追跡」逢坂剛 著(中央公論新社) 3「芥川賞の偏差値」小谷野敦 著(二見書房) 4「本屋、はじめました―…

「ブルマーの謎」から見える日本庶民生活史

表紙タイトルからは、トンデモ研究にのように見えますが実は貴重な日本庶民史の研究報告です、 // 「ブルマーの謎: 〈女子の身体〉と戦後日本」山本雄二 著(青弓社) ブルセラブームを契機に批判を受け、1990年代以降に学校現場から姿を消したブルマーは、…

「騎士団長殺し」とは絵画のようです

早くも3刷りが決まりました。 // 「騎士団長殺し」村上春樹 著(新潮社) 肖像画を得意とする画家の「私」は妻に離婚を切り出され、雨田具彦(あまだともひこ)という画家の旧宅で暮らし始める。屋根裏から見つかった謎の絵の意味は。破格の額で肖像画を依…

復興ストレス:失われゆく被災の言葉

なぜ生き延びた被災者が罪の意識に苦しみ、支援者が燃え尽き、遠くにいる人までが無力感にとらわれるのか。震災のトラウマが及ぼす複雑な影響を理解し、向き合い、支え合うためのヒントをさぐります。 // 「復興ストレス:失われゆく被災の言葉」伊藤浩志*1 …

クロ現にも登場「騎士団長殺し」の売れ行き

// 「騎士団長殺し」村上春樹 著(新潮社) 結構な数の予約があった村上春樹さんの新作「騎士団長殺し」。この本は「協定品」に指定されているため発売日まで公開はできません。予約分と店頭販売分は当日店頭に並べる予定です。すでに予約された方の傾向を見…

鉄腕アトムを作ろう!

// 人工知能の研究が進んだ未来、書店の店先も変わりそうな予感がします。書籍本体に組み立て用の部品が付いた「おまけ付きのムック本」にロボットが登場しました。生誕90周年を迎える手塚治虫の「鉄腕アトム」をドライバー1本で組み立てる「週刊 鉄腕アトム…

コンテ集も版元品切れ「この世界の片隅に」

19日(日)新宿ピカデリー3の11時の上映回がほぼ満員。依然衰えを見せない作品です。ストーリーに目を奪われた初回。謎ときや解釈を楽しんだ2回目。ストーリーを頭に入れて臨んだ3回目は、隅々に仕掛けられた余白を味わいながら楽みました。改めて「一粒で…

書評七福神の今月の一冊【新刊書評】1月

翻訳ミステリが好きでたまらない書評家七人が選んだ1月のベストです。 d.hatena.ne.jp (ルール)この一ヶ月で読んだ中でいちばんおもしろかった/胸に迫った/爆笑した/虚をつかれた/この作者の作品をもっと読みたいと思った作品を事前相談なしに各自が…

足で稼いだ秘密満載「東京喫茶帖」

趣味・実用コーナーに並んだのがこの本 // 「東京喫茶帖」飯塚めり(カンゼン) イラストで東京の喫茶店を案内するカフェガイドです。 今日行きたくなる、珠玉の54軒を紹介! 喫茶の名店で贅沢なひとり時間を 喫茶好きのイラストレーターである著者が、大好き…

はじめての海外文学・ビギナー編

「推薦文が熱い!はじめての海外文学」に思いのほか多くの反響が寄せられました。「ツイッターで見た」という方も多く、本記事はどうやらプロデュース元に注目していただけたようです。紙面を借りてお礼申し上げますとともに、海外文学・翻訳書にご興味ある…

週間ベスト10

新書部門のランキングです。 札幌・コーチャンフォー新川通り店調べ(2月5日~11日) // 1「テレビじゃ言えない」ビートたけし 著(小学館) 2「それでもこの世は悪くなかった」佐藤愛子 著(文藝春秋) 3「日本の武器で滅びる中華人民共和国」兵頭二十八…

週間ベスト10

ノンフィクション部門のランキングです。 八重洲ブックセンター本店調べ(2月5日~11日) // 1「暮らしを彩る和紙オリガミ」山梨明子 著(実務教育出版) 2「始動! 江戸城天守閣再建計画」松沢成文 著(ワニブックス) 3「ヤバいくらい通じる英会話の法則…

「黒書院の六兵衛」がベスト入り

// 「黒書院の六兵衛」浅田次郎 著(文藝春秋) 江戸城明け渡し迫る中、開城のため、官軍のにわか先遣隊長として、送り込まれた尾張徳川家・徒組頭の加倉井隼人。勝安房守に伴われ宿直部屋で見たのは、無言で居座る御書院番士だった。ここで悶着を起こしては…

ITナビゲーター2017年版にみる「新しい世界」

// 「ITナビゲーター2017年版」野村総合研究所ICTメディア産業コンサルティング部 編(東洋経済新報社) 2022年に向けて、ICT・メディア市場で何が起こるのか?AI(人工知能)、IoTで日本企業はチャンスを活かせるか?IT市場の成熟、構造変化の先を徹底予測!携帯…

はじめての海外文学・とっておきの17冊

翻訳書の魅力を伝えるにあたって、翻訳者だけがいくら声高に叫んだところで、たいした効果はない。ほかのだれよりも何よりも必要なのは、現場で本を売ってくれる書店員さんたちの力である。 越前敏弥 出版翻訳あれこれ、これから 第7回:「はじめての海外文…

推薦文が熱い!はじめての海外文学

積読書店員ふぃぶりお (@fiblio2011) | Twitter // 先日帰宅途中、東京・世田谷の蔦谷家電に立ち寄ると海外文学作品を集めた”島”が目に飛び込んできました。どこかの出版社が企画したフェアかなと思って近づくと、様々な出版社から出た個性的な海外文学作品…

WIRED Vol27 特集・長沼伸一郎インタビュー

2月17日発売の「WIRED Vol27」が動いています。 // 「WIRED Vol27」の表紙を飾る「Before and After Scienceサイエンスのゆくえ」というタイトル。理系というより哲学に近い香りが漂ってきます。 「人類に自由や進歩や豊かさをもたらしてくれるはずだった"科…

週間ベスト10

ランキングです。 東京堂書店神田神保町店調べ(2月14日) // 1「屈折くん」和嶋慎治 著(シンコーミュージック) 2「デザインのひきだし30」グラフィック社編集部 編(グラフィック社) 3「慨世の遠吠え 2」内田樹、鈴木邦男 著(鹿砦社) 4「本屋、は…

最新科学で読み解くニッポンの子育て

// 「ママたちが非常事態!?: 最新科学で読み解くニッポンの子育て」NHKスペシャル取材班 編(ポプラ社) 「夫へのイライラが止まらない」「母親であることに自信を持てない」「なんの地獄かと思った」 ニッポンの子育ては、なんでこんなにツラいのか?育児の…

マンガ大賞2017ノミネート作品はこれだ

マンガ大賞のノミネート作品です。 マンガ大賞実行委員会によって主催される漫画賞。選考員は、実行委員が直接声をかけたマンガ好きの有志たち。書店員をはじめとするさまざまな職業の方が、手弁当で集まってこのお祭りを支えています。友達に勧めたくなる漫…

又吉直樹さん、村上春樹さんの新作登場

3月7日発売の文芸誌「新潮」4月号(新潮社)の売れ行きに書店員は注目しています。「新潮」は文学や音楽、映画、写真、絵画などトップクラスの表現者たちによる刺激的な原稿が満載された月刊誌です。どちらかというと玄人筋に好まれる雑誌で、しっかり固定客…

家族が支える伝統芸・成田屋の食卓

棚に並んだのは歌舞伎の本。といっても役者さんが毎日食べている家庭の味の本です。 // 「成田屋の食卓」堀越希実子 著(世界文化社) 十二代目市川團十郎夫人が初めて明かす、成田屋(團十郎家)の家庭料理。春夏秋冬一年を通じ、團十郎、海老蔵も食べてきた…

週間ベスト10

文庫部門のランキングです。 大阪・紀伊國屋書店梅田本店調べ(1月30日~2月5日) // 1「阪急電鉄 スゴすぎ謎学: 私鉄界のお手本カンパニーは上質で奥深い魅力がいっぱい!」小佐野カゲトシ 著(河出書房新社) 2「沈黙」遠藤周作 著(新潮社) 3「盲目的…

週間ベスト10

新書部門のランキングです。 丸善丸の内本店調べ(1月26日~2月1日) // 1「トランプ時代」三浦瑠麗*1 著(潮出版社) 2「キャスターという仕事」国谷裕子 著(岩波書店) 3「人口と日本経済 - 長寿、イノベーション、経済成長」吉川洋 著(中央公論新社…

どこか過剰で、何かが過激なアウトサイダーたちによる「アナーキー日本映画史」

番組制作者は例外なく映画が大好きです。それも少し毛色が変わった作品を好む傾向があります。観客として作品を楽しむというよりも、自分がこの作品に携わるとしたらどのような立ち位置で公開まで持って行くかといった、作り手側の意識が働きます。 「お金を…

週間ベスト10

ランキングです。 東京堂書店神田神保町店調べ(2月7日) // 1「本屋、はじめました―新刊書店Title開業の記録」辻山良雄 著(苦楽堂) 2「音の糸」堀江敏幸 著(小学館) 3「ランチパスポート神保町・御茶ノ水・水道橋・ 飯田橋VOL.8」 (Sweet Thick Ome…