本屋は燃えているか

ブックストアの定点観測

2018-05-01から1ヶ月間の記事一覧

#想田和弘「THE BIG HOUSE アメリカを撮る」

// 「THE BIG HOUSE アメリカを撮る」想田和弘*1 著(岩波書店) 6月に東京渋谷のシアターイメージフォーラムほかで公開予定の映画「ザ・ビッグハウス」。 全米最大のアメフトスタジアム「ザ・ビッグハウス」に集い、働く人々にカメラを向けるという”記録映…

1989年12月29日、日経平均3万8915円: 元野村投信のファンドマネージャーが明かすバブル崩壊の真実

// 「1989年12月29日、日経平均3万8915円: 元野村投信のファンドマネージャーが明かすバブル崩壊の真実」近藤駿介*1著(河出書房新社) 株価が史上最高に達した平成元年の出来事です。 一年後の大納会の株価は2万3848円と、4割以上値を下げてしまいました。…

#是枝裕和「万引き家族」

// 「万引き家族」是枝裕和 著(宝島社) 是枝監督は放送局の入社試験に立て続けに落ちた経験があるとちょっと悔しそうに語っていました。 制作能力がある人が下手に放送局に入らなくてよかったと中高年の放送局員がつぶやいていました。 ある程度の年齢に達…

#佐渡島庸平「WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE. 〜現代の孤独と持続可能な経済圏としてのコミュニティ〜」

// 「WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE. 〜現代の孤独と持続可能な経済圏としてのコミュニティ〜」佐渡島庸平 著(幻冬舎) 天気のいい日は表参道の青山ブックセンターまで足を伸ばして本を探します。 ところが「青山ブックセンターが閉店」という話。 www.nikk…

#福田猛「投資信託 失敗の教訓」

// 「投資信託 失敗の教訓」福田猛*1 著(プレジデント社) 投資は失敗するからやめなさい。と言っている本ではありません。 著者はファイナンシャルプランナー。財テクを指南する立場のプロフェッショナルです。なぜこんな物言いをするのでしょうか。 危な…

#安田峰俊「八九六四 「天安門事件」は再び起きるか」

// 「八九六四 「天安門事件」は再び起きるか」安田峰俊 著(KADOKAWA) 「撮影していたらフィルムを没収された」とベテランのカメラマンが話していました。 夥しい数の人たちが埋め尽くした広場を、大勢の人が取り囲み、大騒ぎになっています。その場に立ち…

#東将吾「その医用画像、異論あり」

// 「その医用画像、異論あり」東将吾 著(ダイヤモンド社) 科学番組の難しいところは、ものごとをやさしく描くことだと言います。 ベテランの番組担当者になるほど、話ぶりがわかりやすくなるのは、 常にそのことが頭から離れないからかもしれません。 企…

「世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事」

// 「世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事」津川友介 著(東洋経済新報社) 事実をして語らしめるというのは番組作りの鉄則だといいます。 書籍についてもおなじことです。 出典が明記されていない本はいくら説得力のある内容であっても信憑性はな…

#菊澤研宗「改革の不条理 日本の組織ではなぜ改悪がはびこるのか」

// 「改革の不条理 日本の組織ではなぜ改悪がはびこるのか」菊澤研宗 著(朝日新聞出版) 日本軍の不条理を分析した『組織の不条理』につづき、著者が現代の不条理を分析した本です。 醸成される“空気”、放置される非効率、はびこる不正、まかり通る無責任、…

#プロジェクト“空” 「奇跡のレシピ 京都 祇園3年間だけのレストラン「空」」

// 「奇跡のレシピ 京都 祇園3年間だけのレストラン「空」」プロジェクト“空” 著(KADOKAWA) 京都に出現した究極のレストラン「 空 」@祇園の写真集。 料理番組のゲスト調理人として放送局でもお見受けした名だたる料理人たちが勢揃いしています。 さて、こ…

#北川悦吏子「 半分、青い(上)」

// 「 半分、青い(上)」北川悦吏子 著(文藝春秋) 「続編はいつでるの」という問い合わせが多い本です。 純粋で不器用な主人公の物語。 時代背景も近いので感情移入がしやすいのでしょうか。 中高年は昔を思い浮かべながら、 若手世代は自分たちのことと…

#岩崎勝彦「おごと温泉の地域革新」

// 「おごと温泉の地域革新」岩崎勝彦 著(中央経済社) いったん付いた評判はぬぐい去るのも一苦労です。 対象が地域にまで広がると地縁だとか、利権だとかが絡み合い、一筋縄ではいけません。 本書の舞台となった温泉地もその一つです。琵琶湖南西部に位置…

#大貫良夫「アンデス古代の探求 - 日本人研究者が行く最前線」

// 「アンデス古代の探求 - 日本人研究者が行く最前線」大貫良夫、希有の会 編集(中央公論新社) 美術番組などで紹介される古代の遺物は、膨大な出土品の中から選りすぐられたものの一つです。 研究者たちは膨大な出土品を丁寧に掘り起こし、保存のための処…

#おさだゆかり「わたしの北欧案内 ストックホルムとヘルシンキ」

// 「わたしの北欧案内 ストックホルムとヘルシンキ」おさだゆかり 著(筑摩書房) 北欧家具がブームなのだそうです。 北欧家具が日本ではやり始めたのは10年以上前のこと。 シンプルなつくりは流行に流されにくく、他のインテリアとも合わせやすいからだと…

#松原一己「特急マーク図鑑 列車を彩るトレインマーク」

// 「特急マーク図鑑 列車を彩るトレインマーク」松原一己 著(天夢人) 小さな出版社が届けてくれる本には、大手出版社にない特徴があります。 それはこだわりであり、愛情です。 鉄道マニアの間で知られるサイトに「トレインマーク事典」というサイトがあ…

「こちら秘書室」公認 接待の手土産 2018-2019

// 「「こちら秘書室」公認 接待の手土産 2018-2019」ぐるなび「こちら秘書室」編集室 編(日本経済新聞出版社) 知恵袋はいくつ持っていても助かるものです。 最新版が登場しました。 取材先に行くときちょっとした手土産を持って行くと話がスムーズに進む…

#ステファニー・ガーバー「カラヴァル(Caraval) 深紅色の少女」

// 「カラヴァル(Caraval) 深紅色の少女」ステファニー・ガーバー 著、西本かおる 翻訳(キノブックス) 2018年の本屋大賞受賞作品の追加注文が入荷しました。 本屋大賞に翻訳部門賞があり、その中で一等賞になった作品です。 売れる翻訳書といえばミステリ…

#後藤広喜「「少年ジャンプ」 黄金のキセキ」

// 「「少年ジャンプ」 黄金のキセキ」後藤広喜*1 著(ホーム社) 少年ジャンプの部数を支えた一読者でした。 後藤広樹編集長の名前は「トイレット博士」*2の中で見つけた記憶があります。 漫画家にとって編集者はパートナーだと思っていましたが、実は恐怖…

#伊藤まさこ「美術館へ行こう: ときどきおやつ」

// 「美術館へ行こう: ときどきおやつ」伊藤まさこ 著(新潮社) ミニマリストとはものを持たない生活。 スッキリした空間のなかで生活するのはカラダが軽くなる気がするからかもしれません。 モノが売れなくなった時代です。 売れなくなったというよりも、…

#NHK取材班「なぜ、わが子を棄てるのか―「赤ちゃんポスト」10年の真実」

// 「なぜ、わが子を棄てるのか―「赤ちゃんポスト」10年の真実」NHK取材班 編(NHK出版) 「幸ちゃんは2歳 たった一人で海を渡った」というドキュメンタリーがあります。 熊本市中央区にある児童養護施設 慈愛園に入所してきた、 幸ちゃんという二歳の女の…

東洋経済が選んだ旬の本 2018.05.12

東洋経済のブックレビューです。(2018年5月12日) // 1 「議員内閣制」高安健将 著 (中央公論新社) 2 「共謀」 ルーク・ハーディング 著 (集英社) 3 「植物は未来を知っている」 ステファノ・マンクーゾ 著(NHK出版) 3 「もうゴミの島と言わせない」 …

金持ち家族、貧乏家族2018 プレジデント

// PRESIDENT (プレジデント) 2018年 3/5号 入社式を控えたこの時期になると、定年退職者向けの出版物が急増します。 年金や雇用、介護などこれまで見えてこなかった課題に直面するのです。 プレジデントもこの時期に合わせて毎年特集する企画が「定年後の生…

#高野光平「昭和ノスタルジー解体: 「懐かしさ」はどう作られたのか」

// 「昭和ノスタルジー解体: 「懐かしさ」はどう作られたのか」高野光平 著(晶文社) 社会学とサブカルチャーは素人目に見分けが付きません。 本書は論考の力が強いので、社会学に分類されるのだろうと思って大手書店を回ったら、 社会学の棚にも、サブカル…

#三戸政和「サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい 人生100年時代の個人M&A入門」

// 「サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい 人生100年時代の個人M&A入門」三戸政和 著(講談社) 会社員生活を選ばずに、自分の能力で生計を立てる若い世代の活躍が目立ちます。 ということは、中高年だってまだまだやれるかも知れない時代かもし…

#K.Kajunsky「家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。 よりぬき★月がキレイですね編」

// 「家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。 よりぬき★月がキレイですね編」K.Kajunsky作 ichida漫画(PHP研究所) 『Yahoo!知恵袋』に投稿された質問とそれをもとにしたブログを漫画化した作品です。 様々な展開をする上で三作目…

#花田菜々子「出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと」

// 「出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと」花田菜々子*1著(河出書房新社) 「人生の成功モデルは旧来型の会社勤めだけではない」。そのことに若い人たちが気付き始めています。 その背景にはAIが象徴す…

#荒井紀子「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」

// 「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」荒井紀子 著(東洋経済新報社) AIに仕事を奪われるという不安が広がっています。 誰にでもできる仕事は早晩AI(人工知能)に置き換えられていくという不安です。 しかし、視点を変えると私たちの将来よりも、…

「JAPAN CLASS もうかなわないわ、ニッポン! 」

// 「JAPAN CLASS もうかなわないわ、ニッポン!」ジャパンクラス編集部(東邦出版) 嫌韓本や右翼的な本は売れるけど置かない書店があります。 炎上商法は長い目で見て損だからです。 ならば褒めてしまおうという逆転の発想で編集されたのが『JAPAN CLASS~…

#スティーヴン★スピルハンバーグ 「パンダと犬」

// 「パンダと犬」スティーヴン★スピルハンバーグ 著(ぴあ) スティーヴン★スピルハンバーグさんはInstagramで人気のイラストレーターです 。 マンガにはパンダの姿をしたご自身と、愛犬の梅吉(老犬ビーグル)の日常がつづられています。 ユーモアとペーソ…

#門りょう「北新地の門りょう ナンバーワンキャバ嬢の仕事とお金と男のホンネ」

// 「北新地の門りょう ナンバーワンキャバ嬢の仕事とお金と男のホンネ」門りょう 著(トランスワールドジャパン) 大阪・北新地の “伝説のキャバクラ嬢” 門りょうさんによる自叙伝です。 年収2億円超え、引退まで一度もナンバーワンから落ちたことがないと…