本屋は燃えているか

ブックストアの定点観測

2018-04-01から1ヶ月間の記事一覧

#デイヴィッド ヤング「影の子」

// 「影の子」デイヴィッド ヤング 著(早川書房) 国家の闇とは組織の闇です。 小さな忖度と、その世界だけにしか通じない正義が積み重なると強固な「檻」ができあがります。 檻を支えるのは自分たちさえ良ければいいという「おためごかし」の論理です。 過…

#長谷川正人「決算書で読む ヤバい本業 伸びる副業」

// 「決算書で読む ヤバい本業 伸びる副業」長谷川正人 著(日本経済新聞出版社) アマゾンレビューで高い評価(5)を受けたビジネス書です。 例えば紡績会社で知名度を誇ったカネボウが、化粧品の老舗ブランドに変身したように、事業を乗り換える企業が目立ち…

#影山裕樹「ローカルメディアの仕事術:人と地域をつなぐ8つのメソッド」

// 「ローカルメディアの仕事術:人と地域をつなぐ8つのメソッド」影山裕樹*1著・編集ほか(学芸出版社) ローカルメディアがブームです。 写真機材の普及や情報発信ルートの多様化、費用を巡るハードルなどかつてないほど個人が簡単に情報発信できる時代にな…

#江口寿史「江口寿史の美少女塗り絵」

// 「江口寿史の美少女塗り絵」江口寿史 著(河出書房新社) 絵師、先ちゃん・・・シニア世代のマンガ愛好家に熱狂的な人気を誇る漫画家・・・というよりイラストレーター・江口寿史さんの新刊本。 今風の美少女を描かせたら右に出る者はいない画力がファン…

#布施えり子「キャバ嬢なめんな。: 夜の世界・暴力とハラスメントの現場」

// 「キャバ嬢なめんな。: 夜の世界・暴力とハラスメントの現場」布施えり子 著(代書館) 経産省トップのセクハラ発言が腰の重い世論を動かし始めています。 圧倒的にセクハラ被害に見舞われている現場はほかにありますが、世の中を動かす中心地で問題とな…

第22回手塚治虫文化賞はこれだ

マンガ文化に大きな足跡を残した手塚治虫の業績を記念する手塚治虫文化賞(朝日新聞社主催)の第22回受賞作が決まった。マンガ大賞は野田サトルさんの「ゴールデンカムイ」。新生賞は「BEASTARS(ビースターズ)」の板垣巴留(ぱる)さん、短編賞…

#マテウシュ・ウルバノヴィチ「東京店構え マテウシュ・ウルバノヴィチ作品集」

// 「東京店構え マテウシュ・ウルバノヴィチ作品集」 マテウシュ・ウルバノヴィチ 著、サイドランチ 編(エムディエヌコーポレーション) アニメ監督新海誠のもとで、映画「君の名は。」など数々の作品の背景美術を手がけたポーランド出身のイラストレータ…

#GOROman「ミライのつくり方2020―2045 僕がVRに賭けるわけ」

// 「ミライのつくり方2020―2045 僕がVRに賭けるわけ」GOROman(近藤義仁)*1、西田宗千佳*2 著 (講談社) 新しい機材が開発されると新しい仕事が生まれます。 AIに仕事を奪われると心配する声を聞きますが、ゼロから一を生み出せば状況は劇的に変わります。 VR…

「美しい世界の廃墟 朽ちてなお美しさを纏って蘇る廃墟たち」

// 「美しい世界の廃墟 朽ちてなお美しさを纏って蘇る廃墟たち」MdN編集部 編(エムディエヌコーポレーション) 関係者以外立ち入り禁止の場所には、驚くような光景が広がっているものです。 冒険系の番組制作者のみなさんは、まだ見ぬ場所を求めて提案を繰…

#博報堂キャリジョ研「働く女の腹の底 多様化する生き方・考え方」

// 「働く女の腹の底 多様化する生き方・考え方」博報堂キャリジョ研*1 著(光文社) キャッチコピーが秀逸です。 腹の底はどんな色をしているのでしょうか。 と思ったら、著者はやはりコピーに長けたこの方々。博報堂のひとたちでした。 腹黒いとか、腹に一…

#堀江貴文 #落合陽一「10年後の仕事図鑑」

// 「10年後の仕事図鑑」堀江貴文、落合陽一 著(SBクリエイティブ) ゼロから1を生み出すことの方が、1を百にも千、それ以上にする仕事より圧倒的に難しいといわれます。 AIに置き換えられる仕事とは、1を増やす仕事にほかなりません。 会社の経営者で…

#納谷僚介「声優をプロデュース。」

// 「声優をプロデュース。」納谷僚介 著(講談社) 声優をプロデュースというと頭に浮かぶのが、「81プロデュース」です。 ナレーションなどの作業を請け負う声優さんたちの集まりです。 番組に出演いただくタレントさんのブッキングは、タレントさんの所属…

#森川智之「声優 声の職人」

// 「声優 声の職人」森川智之*1 著(岩波書店) そもそも声優という仕事はプロダクションと契約を結んだりしてやっていく個人事業主なのですが、まるで就職先の一つであるかのように捉えている人がいるそうです。さらに、300あるイスを1万人以上が狙うとい…

#井上智洋「AI時代の新・ベーシックインカム論」

// 「AI時代の新・ベーシックインカム論」井上智洋 著(光文社) ネット社会が加速度を増しています。 「シンギュラリティ(技術的特異点)*1」という名前の時代の踏み切り板がすぐそこまで来ています。 便利になるのは大歓迎。 でも少し不安を感じるのは、…

#吉川徹「日本の分断 切り離される非大卒若者」

// 「日本の分断 切り離される非大卒若者」吉川徹 著(光文社) 大卒層と非大卒層の分断は深刻です。 計量社会学者である著者は、非大卒若者はレッグスと呼び、その生活や存在、さらには生きる希望を考えていくことが必要だと提言しています。 同じ国に暮ら…

#大杉潤「定年後不安 人生100年時代の生き方」

// 「定年後不安 人生100年時代の生き方」大杉潤 著(KADOKAWA) 順風満帆な会社員生活を続けても、やがて来るのが定年です。 運よく再雇用できたとしても65歳まで。 そこから先は貯蓄を食いつぶしながら暮らす年金生活が待ち受けています。 資産運用や節税…

#菅野仁「友だち幻想」

// 「友だち幻想」菅野仁 著(筑摩書房) 「世界一受けたい授業」(4月14日放送)で紹介され、問い合わせが急に増え始めました。 又吉直樹さんが紹介したことも大きいと思いますが、 人気の背景には「君たちはどう生きるか」のヒットが示すような時代の逼迫…

#わぐりたかし「ちんたら」の語源は鹿児島にあった!

// 「「ちんたら」の語源は鹿児島にあった! 」わぐりたかし 著(光文社) 三重県津市に阿漕浦という海岸があります。 悪いやつの印象が強い「あこぎな奴」、その語源は津市にあります。 ここではこの言葉は逆の意味の褒め言葉。 この地にいた阿漕平治がルー…

#鈴木康弘「アマゾンエフェクト! 」

// 「アマゾンエフェクト! ―「究極の顧客戦略」に日本企業はどう立ち向かうか」 鈴木康弘 著(プレジデント社) Amazonが、職場や自宅で駐車中の自動車に商品を配達するというサービスをはじめるそうです。車種はアマゾンが提携先の自動車に限定。さらにアマ…

#谷岡一郎「定年後の知的生産術」

// 「定年後の知的生産術」谷岡一郎 著(筑摩書房) 定年後の不安につけ込む企画がさまざまなメディアを賑わせます。 社会学者の谷岡 一郎さんの切り口は、保険や相続、定年後のお金などという世俗の垢にまみれたテーマではなく、学問追求型の余生の過ごし方…

#松本創「軌道 福知山線脱線事故 JR西日本を変えた闘い」

// 「軌道 福知山線脱線事故 JR西日本を変えた闘い」松本創 著(東洋経済新報社) ひとり一人は”まじめないい人”であっても、 組織になると、まじめないい人が澱のような存在になることを、 組織に長く住み着いていると分かるような気がします。 JR西日本は…

#「ベラスケスとプラド美術館の名画」

// 「ベラスケスとプラド美術館の名画」中央公論新社 編(中央公論新社) 敬愛する漫画家の荒木飛呂彦さんが ベラスケスの大ファンであることをテレビ番組で知りました。 4月15日放送の日曜美術館「静かな絵画革命~宮廷画家ベラスケスの実験~」で ゲストの…

#奥村知花「進む、書籍PR! たくさんの人に読んでほしい本があります」

// 「進む、書籍PR! たくさんの人に読んでほしい本があります」奥村知花 著 (PHP研究所) 「本は売れない。売れない」という話を書店や出版関係者から聞かされます。 統計数字を見ても明らかなように、出版業界はジリ貧といっていいほどの状態です。 …

#福原慶匡「アニメプロデューサーになろう! アニメ「製作(ビジネス)」の仕組み」

// 「アニメプロデューサーになろう! アニメ「製作(ビジネス)」の仕組み」福原慶匡 著 (講談社) 星海社新書の「アニメのお仕事」シリーズ最新刊です。 献本御礼。「けものフレンズ」福原Pによるアニメビジネス講座です。業界全体の概観を提供する数土さん…

#スーザン・デイビッド「EA ハーバード流こころのマネジメント――予測不能の人生を 思い通りに生きる方法」

// 「EA ハーバード流こころのマネジメント――予測不能の人生を 思い通りに生きる方法」スーザン・デイビッド 著 (ダイヤモンド社) (EA)とは「感情の敏捷性」のことを指すのだそうです。 組織の中で経験を積んでいく内に、その経験や専門性がかえって視…

#加藤俊徳「定年後が楽しくなる脳習慣」

// 「定年後が楽しくなる脳習慣」加藤俊徳 著(潮出版社) 「脳を鍛える」などの多数の著書を持つ著者の新刊です。 画像診断という物証をもとに健康を考え直そうという提言は説得力があります。 人間誰しも加齢とともに記憶力は損なわれていきます。 不安に…

#イワサキユキオ「Hello Again またあうときの約束。」

// 「Hello Again またあうときの約束。」イワサキユキオ著 (マガジンハウス) イヌはにんげんより早く虹の橋をわたっていってしまいます。 だから時間はとても大切です。 「17年間撮りためた写真を中心に、ルーシーとハンナへの思いをたくさん詰め込みまし…

#元村 有希子「科学のミカタ」

// 「科学のミカタ」元村有希子 著(毎日新聞出版) 毎日新聞の長期連載企画「理系白書」で2006年の第1回科学ジャーナリスト大賞を受賞した著者の新刊です。 AI、ゲノム、重力波など、知ってるようで知らない科学の言葉や知らないと困る科学の話について書…

お金・投資本ランキング 2018.04

ランキングです。(日販調べ2018年4月) 全国の書店店頭ではどのような「お金・投資関連本」が売れていたのでしょうか? // 1 「お金2.0」 佐藤航陽 著(幻冬舎) 2 「はじめての人のための3000円投資生活」 横山光昭 著(アスコム) 3 「めざせ「億り人」!…

#数土直志「誰がこれからのアニメをつくるのか? 中国資本とネット配信が起こす静かな革命」

// 「誰がこれからのアニメをつくるのか? 中国資本とネット配信が起こす静かな革命」数土直志 著(講談社) 放送局のアニメーション担当者はアニメの愛好家ですが、自ら絵コンテを書いたり脚本を書いたりするスキルは持っていません。主な仕事は、編成のアニ…