一週間ぶりの書店です。本を巡る深刻な情勢に変化は見られません。「本屋は本を売るのが仕事だけど」と見せてもらったのが「出版ニュース」です。
この雑誌は「出版年鑑」などを発行する出版ニュース社が月2回発行しているいわば業界紙です。
出版界・読書界の様子が速報されています。業界の事情に疎い私のような門外漢がこの世界の動きを知るにはもってこいの本です。
12月下旬号の特集は「2015年出版界・読書界の10大ニュース」です。第二特集は「2015年出版界回顧」として雑誌の不振で5%減の落ち込みの文字が躍ります。出版社、取次、書店と三者がそろって頭を悩ます様を見るとなんて声をかけたらいいのかわからなくなります。
出版界の2015年を振り返ってみました。*1
出版科学研究所によると、1月から10月までの累計販売実績が、書籍で前年比1.9%減、雑誌が8%減となっており、書籍雑誌の推定販売額は5.0%減となったようです。この数字が2015年の実績となるようで深刻な状況です。
日販・トーハンの中間決済を見ると、文庫は店頭実績で対前年比8.1%と大幅な落ち込み。雑誌は3.9%減で、とくに女性ファッション誌が前年比で15%も減少しています。
ベストセラーは『火花』が一位で240万部。ランキングには現れませんがピケティ著『21世紀の資本』は14万部の発行されました。電子書籍も対前年比39.3%の伸びが見込まれると言います。
電子書籍については市場規模は1411億円。対前年比39.3%増だそうです。
このことから読者は減ったのではなく読みたい作品があれば読むのです。変化に合わせて手を打つことの必要性があらためてわかります。