本屋は燃えているか

ブックストアの定点観測

マンガは僕たちのビタミンだ

年間およそ一万点の新刊が出版されるマンガ新刊本。

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その年の1月1日から12月31日に出版された単行本のうち、最大巻数が8巻までの作品から選ばれる「マンガ大賞2016」の一次選考作品が18日発表されました。

 226作品から選ばれた11作品が「マンガ大賞2016 ノミネート作品」となりました。3/29(火)の授賞式でトップの三作品が発表されます。

 

「ダンジョン飯」に評価が集まる今年、鉄板レースは盛り上がらないので、なんとかほかの作品にもがんばってもらいたいところです。

と、思っていたところ、「恋は雨上がりのように」*1を絶賛する記事が日本経済新聞に載っていました。

記事では、漫画家の島本和彦が本作を読み、ツイッターで「俺だけは認めてやろう!!」とつぶやいたところ、読者アンケート1位になったこと。島本のつぶやきを帯に使った第一巻を発売前に各地の書店員に配ったところ抜群の反響で、即座に重版がきまったこと。などの裏話が載っています。*2本作は今月発売の4巻までで累計73万部(電子版を含めると85万部)の大ヒット作になりました。

一人の支持がまわりの共感を呼び、評価がじわっと高まっていくのは見ていてワクワクします。動画サイトでよく見る字幕の弾幕とよく似ています。

応援の広がり方を見る限りでは、紙のメディアだけに閉じこもっていては読者の支持は得られない時代にいることを感じます。このことは一般書にとっても同じことです。読者とつながることの大切さを考えさせてくれます。

 

*1:年の差28歳の恋愛を叙情的に描く漫画。新人の単行本デビュー作。「コミックナタリー大賞2015」で2位。「このマンガがすごい!2015」(オトコ編)で4位となった。

*2:2巻には花沢健吾が「ファミレス店長の道はないかと真剣に考えている自分がいました」と帯分を寄せたそうです。