本屋は燃えているか

ブックストアの定点観測

教師となった青年の挑戦がパワーアップ

週明けの本屋はアドラー一色です。

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うまくいかないことや悩み事を抱えた人が多いことがわかる本。累計100万部越えを達成した「嫌われる勇気」の続編が登場しました。初版は8万部といいますから出版社はかなり強気です。

「幸せになる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教えII」岸見一郎 著(ダイヤモンド社

配本の中身はアドラー本がかなりの比率を占めるほどブームは架橋を迎えているようです。本書は自己啓発本に分類される本ですが、たとえて言うなら整体術。痛みを伴う施術に読者は爽快感を覚えるようです。

問題に対するアドラー的対処法とその観点は、相変わらず我々の常識をあっさり飛び越えて混乱させてくるわけだが、そこにあるのは快感の伴う混乱である。

例えば問題行動を起こした子どもに対する親や教師が取るべき行動。現代社会においては一般に、子どものとった反社会的行動に対して、叱責するのがその務めとされるだろう。が、アドラーは「裁判官の立場を放棄せよ」「叱責は暴力である」という。そして叱責という暴力を用いることで親や教師は子どもからの尊敬を失う。叱責には「子どもの為」という見せ掛けの目的の奥深くに、「子どもを自分の支配下に置くために自立を妨げたい」という目的があるという。 

放送局の書店でも、「ビジネス書」*1ランキング1位を独走中です。

*1:この書店には厳密な意味での経営・経済書はほとんど置いていないことから、自己啓発書もビジネス書に分類されています。