本屋は燃えているか

ブックストアの定点観測

辻村深月の新作登場

今日のニューフェイス

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東京會舘とわたし」 辻村深月*1著(毎日新聞出版)

海外ヴァイオリニストのコンサート、灯火管制下の結婚式、未知のカクテルを編み出すバーテンダー…“會舘の人々”が織り成すドラマが、読者の心に灯をともす。大正十一年、丸の内に誕生した国際社交場・東京會舘。“建物の記憶”が今、甦る。激動の時代を生きた人々を描く。直木賞作家の傑作長編小説!

現代の女性とりわけ10代の若者から高い支持を受けている作家です。その最新作が登場。新聞の連載が長かったので上下二巻となりました。インタビュー記事などを見ると創作の根っこの部分にあるのがゲームやアニメの世界観とのことです。ひと昔前に比べてクリエーターを目指す人たちの人材の厚みが格段に増えています。

「文学を知らなければ、目に見えるものしか見えないじゃないか。文学を知らなければ、どうやって人生を想像するのだ(アニメか?)」と書いた日本文学振興会の広告を見るにつけ、(アニメか?)と文学関係者が抱いた衝撃の大きさを感じます。うろたえる文学界をよそに、辻村さんのコメントは巷間が持てます。

「私は小説を書く上で、小説以外にも漫画とアニメと映画から等しく影響を受けている気がしています。総じて物語の世界がすごく好きだったんでしょうね。10代の頃までを振り返ると、実際には生まれ故郷の町をほとんど出たことがなかったにもかかわらず、それを意外に思うくらいフィクションの世界で一番いろんなところに行かせてもらっていた時期だという感覚があります。その最たるものがアニメです」

単純にアニメ1作つくるのにに関わるマンパワーは数百人×制作時間であり、一人親方である小説家と比較するのには無理があるように思います。 

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*1:2004年『冷たい校舎の時は止まる』でメフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で直木賞を受賞。著書に『ハケンアニメ!』『家族シアター』『朝が来る』など多数。「サンデー毎日」誌上で2014年6月〜15年8月まで 『東京會舘とわたし』を連載