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本屋は燃えているか

ブックストアの定点観測

竹内薫さんが選んだ今年の三冊

2016私の三冊

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竹内薫*1さんが選んだ今年の三冊。

http://www.oto.co.jp/binout.php?f=250

1「精霊の箱」川添愛 著(東京大学出版会

今作のテーマは「チューリングマシン」です。物語は、前作『白と黒のとびら―オートマトン形式言語をめぐる冒険』最終章の数ヶ月後から始まります。前作と同様、作中の人物、団体、場所、物理・化学法則はすべて架空のものですが、物語の根底を流れる数学的原理は現実のものです。ガレットを始めとする登場人物たちと一緒に、「計算」という概念の本当の姿、またそれにまつわる数々の話題に親しんでいただけましたら幸いです。 

精霊の箱 上: チューリングマシンをめぐる冒険

精霊の箱 上: チューリングマシンをめぐる冒険

 
精霊の箱 下: チューリングマシンをめぐる冒険

精霊の箱 下: チューリングマシンをめぐる冒険

 

ファンタジー世界を舞台にチューリングマシン*2を開設するという驚愕の書。

2「「不登校」は天才の卵」阿部伸一 著(宝島社

「学校に行けないなら行かなくていいよ」この一言が言えたら子どもは変わります。
以前は予備校や塾しか選択肢がなかったのが、現在では文科省も認めたホームスクールやフリースクール、通信講座など学びの場がニーズにあわせ増えてきました。
選択肢の幅の広さで開眼させ、あなたの子どもは人より抜きん出た才能の持ち主として
開花する可能性が多々あると気付かされる一冊です。

第6章 学校に行かない7つの選択肢
選択肢1 家にいる
選択肢2 通信教育・家庭教師
選択肢3 フリースクール
選択肢4 学習塾
選択肢5 転校
選択肢6 留学
選択肢7 カウンセリング

 

「不登校」は天才の卵

「不登校」は天才の卵

 

 

3「経済数学の直観的方法 マクロ経済学編」長沼伸一郎 著(講談社

理系学生伝説の参考書『物理数学の直観的方法』の著者による、画期的な経済数学の入門書。

現代の経済学は、物理学に基づく高度な数学を取り入れているため、難解なイメージがあります。本書では、理系と文系の中央位置から、双方を視野に入れる独自のアプローチを取っているため、直観的な理解の道を拓くことができます。

経済数学の二大難解理論である「動学的マクロ均衡理論」「ブラック・ショールズ理論」。この2つの理論の頂上部分を直観的に理解することで、今まで難物だった他のこまごまとした数学技法を、ちょうど一番高い2つの山からそれより低い山を見下ろす要領で、精神的に呑んでかかって楽に理解できるようにします。

本書「マクロ経済学編」では、二大難解理論の一方で、経済学の最重要理論である「動学的マクロ均衡理論」を一気に理解することを可能にします。

本書では、専門課程の学生のための本格的な数学的部分を後半部分に集中させることで、前半部分は一般読者でも読めるように工夫されています。そのため経済学部の学生が本書を数学の難所突破の特効薬として使うのはもちろん、一般読者の方々も、本書を数少ないこれらの一般向けの解説書として使うこともできます。

 

経済数学の直観的方法 マクロ経済学編 (ブルーバックス)

経済数学の直観的方法 マクロ経済学編 (ブルーバックス)

 

 

*1:サイエンスライター、作家。東京都生まれ。横浜市在住。オフィス・トゥー・ワン所属。湯川薫名義で小説も執筆している

*2:ある関数を計算するアルゴリズムが存在するか否かという形の問題を、数学的に厳密に議論する為に考案された機械で、アルゴリズムによって計算できる関数は全て原則的にはチューリング機械によって計算することができ、逆にチューリング機械で解けない問題にはアルゴリズムは存在しないと言える。つまり、アルゴリズムの判定をする機械がチューリング機械