キネ旬効果とでもいうのでしょうか、「この世界の片隅に」原作本がコミックコーナーを独占しています。立ち止まって手に取られる方も多く、補充も5冊は切らさずにしています。書架に上下3巻を揃えて面陳すると壮観です。
売れ続ける背景には放送の後押しもあります。
1月12日(木)放送のクローズアップ現代は「この世界の片隅に」ヒットの秘密がテーマ。
63館という小規模の上映にもかかわらず観客動員ランキングでベスト10入りを続ける異例の大ヒットになったアニメ映画「この世界の片隅に」。原爆投下に至るまでの戦時下の広島の日常を一人の若い女性の目線で描いた映画は、老若男女問わず、見る者の心を揺さぶり、その共感の輪はSNSなどを通して広がり続けている。
なぜ戦時下の日常を描いた作品が今を生きる人々の心をうつのか。番組では、映画がなげかけるメッセージを読み解きながら、この映画が現代社会に照射するものを見つめていく。
大ヒットした作品は観た気持ちになって観なかったり、人が騒いでいるものには敢えて背を向けるという”へそ曲がり"な性格を持つのが少なくないのが放送局です。個性が尊重される職場なのだろうと思います。でも、この作品は見る角度によってきわめて多彩な物語やテーマを読み取ることができるので、見ていない人は劇場に行って欲しいし、損はしないと思います。