ブルータス「危険な読書」で紹介された危険を取り扱う書店。一番危なかった本とは何か書店員に聞きました。
「模索社」*1市民運動団体の作ったパンフレット・ニュース、同人誌・個人誌、政治党派の機関紙類、そして社会・人文書を中心とした出版社の本などが、ところ狭しと並べられています。
- 「さいはて紀行」金原みわ 著(シカク出版)
- 「地下音楽への招待」剛田武 著、加藤彰 編集(ロフトブックス)
- 「「革共同五〇年」私史 -中核派の内戦戦略=武装闘争路線をめぐって」 尾形史人 著(社会評論社)
「既存の出版ルートに乗らない本屋を」と1970年に創業。
「さいはて紀行」金原みわ 著(シカク出版)
日本最高齢ストリッパー、刑務所施設内の美容室、キリスト看板総本部、タイの観光地に存在するセックスショー…遠くにあるようで日常のすぐそばにある「さいはて」を巡る旅人、金原みわの旅の記録をまとめた紀行エッセイ集。
温泉地の時間が止まったようなストリップ小屋や刑務所内の美容室など、ふらっと訪ねて取材してしまう、著者の胆力にまず驚く。"珍スポット"の非日常性だけでなく、関係者の人柄も伝わってくる。きっと、金原さんが相手に寄り添って言葉を綴れる人だからです。
「地下音楽への招待」剛田武 著、加藤彰 編集(ロフトブックス)
1978年、吉祥寺に開店した一軒のジャズ喫茶は、その一年後「Free Music Box」を名乗り、パンクよりもっと逸脱的(パンク)な音楽やパフォーマンスが繰り広げられる場となっていく。 ミュージシャンやパフォーマー、オーガナイザーたちとの再会や対話、またメディアの再検証を通じて、日本のメジャーな音楽シーンが80年代の多幸症に向かうなか、そのパラレルワールドのようなものとしてあった「地下音楽」の世界を描き出す。
今も受け継がれるアングラ音楽が生まれた場所の熱気を感じられる本。
「「革共同五〇年」私史 -中核派の内戦戦略=武装闘争路線をめぐって」 尾形史人 著(社会評論社)
六〇年代後半から七〇年代を彩り、その後もゲリラ戦という形で続いた武装闘争について歴史的評価をすることは、現代人の避けられない仕事である。革共同(中核派)はその渦の中心にいたのであるから、その領域についての評価に積極的に立ち向かうべきだと考える。 この過程では、革共同内外の多く人々がかかわり、人生を左右されて来た。獄中の人となり、指名手配の厳しい探索と対峙してきた人も多い。あるいは権力との武装闘争、革マル派との闘争において命を落とした有為の若者たちがどれだけ存在することか。 現在の革共同が路線転換したとしても、この事実を消し去ることは許されない。それは、歴史と死者への冒涜というものである。本書を執筆する最大の動機は、以上の点にある。
「革共同五〇年」私史 -中核派の内戦戦略=武装闘争路線をめぐって
- 作者: 尾形史人
- 出版社/メーカー: 社会評論社
- 発売日: 2016/09/13
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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長年、中核派の活動家だった著者が党の路線と活動家人生を併せて総括した本。2016年に最も売れた本。