本屋は燃えているか

ブックストアの定点観測

池上冬樹さんが薦める新刊 2017.05.07

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アーサー・ミラーⅣ 転落の後に/ヴィシーでの出来事」アーサー ミラー 著(早川書房

赤狩りと二度の離婚で心に深い傷を負ったクェンティンは、激動の半生を顧みる―著者とマリリン・モンローの結婚をはじめ私生活に多く材を取った自伝的傑作「転落の後に」。親ナチス政権下の留置場。強制連行された男たちが身分を証明するため待機している。しかし取調室に呼び出されたまま帰らない者が多く…ユダヤ人狩りの実相を描き、衝撃の結末へとなだれ込む―幕劇「ヴィシーでの出来事」。

 

「宝を探す女」逢坂剛 著(KADOKAWA

岡坂神策は、ある晩ひったくりにあった女を助ける。が、なぜかその女は、東京御茶ノ水に埋まっているという幕末埋蔵金探しを持ちかけてきて(表題作)。失踪した男の近所で起こった殺人事件の真相。ある女子中学生が転落死した事故の謎。人気女優から依頼された、恋人の尾行調査の結末。「カティンの森事件」に埋もれた闇。ハードボイルドの巨匠、逢坂剛が描く5つの大人のサスペンス。「岡坂神策」シリーズ短編集。

宝を探す女 (角川文庫)

宝を探す女 (角川文庫)

 

 

 

「ナオミとカナコ」奥田英朗 著(幻冬舎

望まない職場で憂鬱な日々を送るOLの直美は、あるとき、親友の加奈子が夫・達郎から酷い暴力を受けていることを知った。その顔にドス黒い痣を見た直美は義憤に駆られ、達郎を排除する完全犯罪を夢想し始める。「いっそ、二人で殺そうか。あんたの旦那」。やがて計画は現実味を帯び、入念な準備とリハーサルの後、ついに決行の夜を迎えるが…。

ナオミとカナコ (幻冬舎文庫)

ナオミとカナコ (幻冬舎文庫)