本屋は燃えているか

ブックストアの定点観測

期待のドラマ、わろてんか本

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朝の連続テレビ小説、秋の新シリーズが始まりました。

最近好調のNHK大阪放送局吉本興業の創業者をいじるドラマとあって、

放送関係者の期待が高まります。

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期待をよせるのは出版関係者も同じです。

半年にわたって放送される連続テレビ小説は息が長い上に、

登場人物や筋立ても複雑で、そこにつけ込んで解説本が売れるのです。

あっという間にムックコーナーを埋め尽くしたのは主人公のモデルとなった

吉本興業創業者の伝記本です。

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テキストのコーナーには当然のように公式ガイドが登場。

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ひよっこ」を押しのけるように平積みされたのはノベライズ本です。

主人公のモデルとなった吉野せいは、子だくさんの家に生まれ、

幼くして奉公に出された苦労人です。駆け落ち結婚した夫は道楽者。

姑からいびられ、借金にも泣かされた人生があると聞かされると

大化けするドラマになりそうな気がします。

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文庫本、単行本コーナーも当然その匂いをかぎつけて、

夫の伝記まで便乗出版されています。

ドラマの主人公は寄席を買い取り、大阪中を笑顔にすべく奮闘した

明るいヒロインとして描かれています。

伝記を読むと、清涼飲料水を売るために、

のどが渇く塩辛いおつまみを併せて売った"浪速のおかん"だったことが

わかります。

ドラマと実物の落差を感じながら読むと、

朝の時間もより盛り上がるような気がします。