本屋は燃えているか

ブックストアの定点観測

サツまわりと警察小説

本日登場したのがこの一冊。

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「真贋」今野敏 著(双葉社

犯行現場に臨場し、その手口から犯人の目星をつける“盗犯捜査の職人”警視庁捜査三課の萩尾が、相棒の秋穂とともに“盗みの職人”に対峙する人気シリーズ、待望の第二弾!

 

記者で配属された新人は、だいたい地方都市の警察まわりから第一歩を踏み出します。他社の記者たちの中にも若手がいて、抜いた抜かれたの競争です。「夜討ち朝駆け」という仕事は記者という稼業が持つブラックな生活そのものかもしれません。

事件や事故は人を待ちません。ですから何か起きると呼び出しがあります。大災害が起きようものならエンドレスです。退職した元記者に新人時代を聞くと「大変だったけど、楽しかった」という言葉が返ってきます。警察まわりの体験があるからこそ、警察小説が身近に思えるのでしょう。県警記者クラブの次は県庁記者クラブと、新人記者たちは仕事の進め方を数年がかりで体を使って覚えます。(記者クラブと情報ソースとの関係は「ロクヨン」でリアルに描かれています)

良くも悪くも、ふつうの人生では味わえない経験ができるところが記者稼業の魅力なのかもしれません。