本屋は燃えているか

ブックストアの定点観測

つくりおき料理のベストセラー

健康のためにも節約のためにもできるものなら自炊したい。しかし、そんな時間も腕もない・・・という人のために、休みの日にまとめておかずをつくってしまおう。というレシピをまとめたのがこの本

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「つくおき 週末まとめて作り置きレシピ」nozomi 著(光文社)です。

もともと大人気ブログ『つくおき』に掲載されていたレシピです。

cookien.com

150分で14品!買い物から料理の流れまで、1週間分のおかずをまとめて作るコツが満載ということから、書籍化され初版8千部が6月の辞典で16刷30万3千部のヒットになりました。

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担当編集者の話によると「もともとは30代の共働き家庭の女性がターゲット」だったのですが、眠っていた潜在層の関心も集めたのだそうです。その潜在層とは60代から70代の高齢者でした。

「専業主婦であっても食事の用意で自分の時間が作れないのはツラい。毎日献立を考えるのも大変。そんなことを感じていた方がこの本を読むと『週に一回手を動かせばいいんだ』と救われるようなんですね」

 

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類書との大きな違いは段取りや手順を具体的に示している点があるようです。

「忙しい人には応用を考える自由度よりも、考えずにルール通りに進められる方が役に立つ」ということなのでしょう。詳細かつロジカルな内容は料理慣れしていない人の心もつかんだようです。

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放送局員の中には料理番組の関係者もいます。知り合いの制作者に聞いたところ、最近の視聴者の傾向として手軽に作れるレシピに人気が集まることは確かなようです。また、年配の視聴者の中にはひとり暮らしの人もいて、スーバーなどで食材を少しずつ買って帰る人もいて、そんな人たちから自分用のレシピを提供して欲しいという希望もたしかにあるようです。

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発掘し尽くされたと思っていた料理関係の実用書に新大陸が発見されたような気がしました。

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