本屋は燃えているか

ブックストアの定点観測

ためしてガッテン!「追跡!糖質制限ダイエットの落とし穴!」

糖質を制限することで生活習慣病のリスクを減らそうというのが話題のベストセラーとなったこの本 。新書コーナーで長距離ランナーのごとく売れています。

 

糖質制限の真実 日本人を救う革命的食事法ロカボのすべて」山田悟*1 著(幻冬舎

生活習慣病が激増している。その8割を占める糖尿病、高血圧、脂質異常症は、さらにガン、心臓病、脳卒中の三大死因につながっていく。特に糖尿病とガンの密接な関係を考えると、40歳以上の3人に一人が血糖異常者という現状は危機的だ。欧米人に比べ日本人は糖質に弱い。人間ドックで見落とされる食後高血糖を防ぐには、血糖値を上げる唯一の原因、糖質(炭水化物・果物・芋・豆等)をコントロールするしかない。そのための新しい食事法がロカボだ。巷にあふれる根拠に乏しい糖質制限とは違う、最新栄養学に基づく革命的食事法を徹底解説。

健康法にまつわる本は毎月山のように出版されているため、どの本が頼りになるのかにわかに信用できないのが読者側から見た評価です。ところが「糖質制限」というキーワードは時間がたっても評価が揺らぐ気配が見られません。とうとう、ためしてガッテンでも取り上げられることになりました。

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糖質制限というのは世界的なキーワードになっているようです。 今年3月、イギリスは肥満対策を理由に清涼飲料水等に含まれる砂糖への課税を決定しました。同様の課税は他国でも進んでいるようです。こうした動きに敏感な食品業界では糖質を気にする人向けの新商品が続々投入されています。ご飯やパン、甘い物を控える“糖質制限ダイエット”とは何か。失敗ない糖質との付き合い方を探る番組でした。

 

番組冒頭で紹介されたのが全国10~90代へのネットアンケート。2,210人中、糖質制限ダイエットの経験者は1,197人。そのうち7割以上の人が減量に成功と回答しました。


なぜ糖質制限で痩せられるのでしょう?細胞内にはミトコンドリアというものがあります。ミトコンドリアは脂肪をエネルギーとして取り込むことができます。体内の糖が少なくなると第二のエネルギー源である脂肪を分解することから、体に蓄えた脂肪が消費されるのです。

 

1年間で9㎏の減量に成功したのが三重県の西村真紀さんです。ご飯は雑穀米に代えた上で半分に減らしました。代わりにおかずを5品に増やしたのにもかかわらず!西村さんはその後も1年半体重をキープできました。

神奈川県の小板橋泰宏さんは2年前に挑戦しました。体重や血糖値に効果が出て、糖質全カットに熱中したそうです。1か月後、頭がボーっとして疲れやすくなり、筋肉量は2割近く減ってしまいました。「やばいかな、と身の危険を感じた」。こちらはあまりうまくいかなかったようです。

 

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糖質制限といっても素人判断で手を出すとうまくいかないこともあるようです。

糖質制限の真実 日本人を救う革命的食事法ロカボのすべて」の著者である山田 悟先生(北里大学北里研究所病院糖尿病センター長)が登場して差を解説します。

日本人の平均摂取カロリーのうち糖質(炭水化物)は60%を占めるため、糖質ゼロはカロリー不足や血管障害の危険性があることがわかります。

極端な食事の制限は過ぎたるは及ばざるを得ないことがわかりました。 

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山田先生は緩やかな糖質制限がオススメといいます。ポイントは2つ。

①主食は半分にする。糖質全体量は普段の3分の1~半分にする。

たんぱく質や脂質は制限しない。とくに満腹感を得るまで食べることを奨める。大豆・食物繊維も増やす。

山田先生自身「私も10年前まで脂を控えてと言っていた」が、医学会の常識は変化すると最新の科学に基づく拙であることを語りました。

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糖質制限の真実 [ 山田悟 ]
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*1:1994年慶應義塾大学医学部卒業。慶應義塾大学医学部内科学教室、東京都済生会中央病院、東京都国保南多摩病院などを経て現職。「楽しくて続けたくなる糖尿病療養」をモットーに、日々2000人の患者さんと向き合い治療に携わる。2013年食・楽・健康協会を設立し、社会へ向けた糖質制限の普及にも尽力。 著書:『糖質制限食のススメ-その医学的根拠と指針』『糖尿病食事療法の選択肢を増やす「緩やかな糖質制限」ハンドブック』等