本屋は燃えているか

ブックストアの定点観測

ダンジョン飯に舌鼓

コミックの棚が拡張されました。一番乗りしたのがこの本。

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ダンジョン飯九井諒子 著(KADOKAWA/エンターブレイン

ダンジョンの奥深くでドラゴンに襲われ、
金と食料を失ってしまった冒険者・ライオス一行。
再びダンジョンに挑もうにも、このまま行けば、途中で飢え死にしてしまう……。
そこでライオスは決意する「そうだ、モンスターを食べよう! 」
スライム、バジリスクミミック、そしてドラゴン!!
襲い来る凶暴なモンスターを食べながら、
ダンジョンの踏破を目指せ! 冒険者よ!! 

テレビゲーム世代にはアドベンチャーゲームの定番ともいえるのが洞窟探検です。洞窟=ダンジョンの中で遭遇するモンスターを倒して経験値を積むという設定を、ゲーマーは誰も疑うことなく楽しんできました。モンスターは倒すものという常識を破り、退治したモンスターをいかに料理するかという視点を、わかりやすく提供してくれたのがこの作品です。「ダンジョン飯」で丁寧に描かれるのが、倒した怪物をグルメ漫画と同様の描き方で下処理して味わうという描写です。実世界ではゲテモノに近い食材が、作者の手にかかれば食欲をそそる献立に代わるのが不思議です。誰もが気がつかなかった発見を具現化する作者の発想は、クリエィターなら誰もが身につけておきたい物の見方と言えそうです。