本屋は燃えているか

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地図と空想の旅の本

本日登場の本

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「地図マニア 空想の旅」今尾恵介 著(集英社インターナショナル

長年に渡り地形図を眺め、その時代、その土地についての研究を重ねてきた著者の、地図研究家としての情熱、その技法が一冊の本に!

アマゾンの書評だけでは何が書かれている本かうっすらと分かるだけなので、版元のサイトを覗いて見ました。

地図と想像力だけで歴史を、世界を歩いてみる。
新しい紀行文のカタチ。

★旅といっても、どこを旅するの?

たとえば、戦前の日本。
昭和10年の中央本線や14年の草津軽井沢電気鉄道。芥川龍之介の『トロッコ』の舞台となった大正時代の熱海など、過去の地図から当時の風景を想像して旅をします。

ときに、未来の日本。
大正時代測量の現役地形図を用いて、2038年の択捉島を旅します。現在ではなかなか行くことのできない場所でも、想像力一つあれば、自由に歩き回れます。

さらには、行ったことのない外国の地へ
イギリスのローマ古道や、廃線跡の香り漂うスイスのレントゲン通り。市場が賑わうバングラデシュのチッタゴンに、フェリーで渡り歩くノルウェーフィヨルド地帯。海外の地形図ならではの記号に目から鱗がぼろぼろ。実際に行ったらお金がかかって仕方のない外国の地ですが、地図一つと想像力があれば、自分の部屋にいながら海を越え、旅をすることができます。

 国内編の探訪先がこちら。

中央本線 425列車の旅
大正時代測量の現役地形図でゆく2038年 択捉島紀行
昭和32年 高度経済成長前夜の京葉を行く
西南西へ進路をとれ 西国街道に見た阪急の戦略・行基の足跡
大正時代の軽便鉄道で旅する 芥川龍之介『トロッコ』の舞台
アブト式鉄道と草軽電車を乗り継いで北軽へ
明治の赤坂 ひと目でわかる旧道
つるりん電車体験記 草創期の京浜工業地帯

 地図一つと想像力があれば、カネをかけずに自分の部屋にいながら旅ができる。なるほど「エア旅行」です。旅番組などの新企画のヒント。たとえばこの地図。

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高野聖山鳥瞰図」弘法大師一千百年御遠忌記念出版。山頂に広がる聖地“高野山”を幽玄かつ壮大に描く。裏面は高野山沿革。

http://net.jmc.or.jp/digital_data_oldmap_chokan.html

昔の地図に記された例えばナゾの名所旧跡を推理しながら旅をしたり、

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地図記号をヒントに海外の暮らしを訪ねてみたりするなんてのもありでしょう。ブラタモリにしても、その原型は10年以上前に放送された古地図を辿る番組から生まれ、何度も形をかえてタモリさんが主人公に落ち着いたと放送局員は話していました。とっぴょうしもない想像が企画の母になることはよくあります。

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