本屋は燃えているか

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週間ベスト10

新書部門のランキングです。 

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大阪・ジュンク堂書店大阪本店調べ(11月27日~12月3日)

 

1「危機対応のプロが教える! 修羅場の説明力」小野展克、池田聡 著(PHP研究所

ビジネスパーソンの日常は「説明」の連続だと言っても過言ではない。そして、説明一つで企業の命運、プロジェクトの浮沈、上司からの評価を決定づけてしまう場面も少なくない。では、修羅場で私たちは何を発言し、どう振る舞えばいいのだろうか。共同通信で日銀キャップ、経済部次長を歴任し、有事における経営トップ、企業人を取材した小野氏、産業再生機構、IGPIで企業の生き死にと向き合ってきた池田氏によるコミュニケーションスキルの決定版。 

 

2「応仁の乱 - 戦国時代を生んだ大乱」呉座勇一 著(中央公論新社

室町幕府はなぜ自壊したのか―室町後期、諸大名が東西両軍に分かれ、京都市街を主戦場として戦った応仁の乱(一四六七~七七)。細川勝元山名宗全という時の実力者の対立に、将軍後継問題や管領家畠山・斯波両氏の家督争いが絡んで起きたとされる。戦国乱世の序曲とも評されるが、高い知名度とは対照的に、実態は十分知られていない。いかなる原因で勃発し、どう終結に至ったか。なぜあれほど長期化したのか―。日本史上屈指の大乱を読み解く意欲作。 

応仁の乱 - 戦国時代を生んだ大乱 (中公新書)

応仁の乱 - 戦国時代を生んだ大乱 (中公新書)

 

 

3「グローバリズム以後 アメリカ帝国の失墜と日本の運命」エマニュエル・トッド朝日新聞出版)

トランプ氏の米大統領選の勝利を予見!
米国一極支配の終わりを予見したベストセラー
『帝国以後』から十数年を経て、世界を簒奪する
グローバリズムの「後に来るもの」を見通す一冊。

英国EU離脱と移民により解体に向かう欧州
白人死亡率の上昇が如実に示す米国の疲弊
とまらないテロと憎悪の連鎖――。
各国で中間層が崩壊し、民主主義が危機に瀕している。
どの国もうまくいかない歴史の大転換期。
貧困と戦争は避けられるか?われわれはどこへ向かうのか?

トランプ氏勝利を予見した最新ロングインタビューをはじめ、
朝日新聞によるインタビューが一冊に。
現代世界の奔流が手に取るようにわかる!

 

 

4「雑談力」百田尚樹 著(PHP研究所

雑談で人を楽しませる快感を味わうための一冊!
(ダメな雑談を面白くする三か条)

雑談力 (PHP新書)

雑談力 (PHP新書)

 

 

5「これ、いったいどうやったら売れるんですか? 身近な疑問からはじめるマーケティング」永井孝尚 著(SBクリエイティブ)

身近な8つのストーリーで、マーケティングの基礎を学ぼう!
会議でよく聞くあんな言葉、こんな言葉、すべてこの1冊でわかります! 

これ、いったいどうやったら売れるんですか? 身近な疑問からはじめるマーケティング (SB新書)
 

「なぜセブンの隣にセブンがあるのか」など、身近な疑問から販売戦略わ説く。

軽い。同じ事を言い過ぎ。圧縮したら3分の1になる内容。 

6「世界一豊かなスイスとそっくりな国ニッポン」川口・マーン・惠美 著(講談社

「幸福度世界一位」の条件は全て日本にも揃っている。「あとはスイスに見習うだけ」 

 

7「老いる家 崩れる街 住宅過剰社会の末路」野澤千絵 著(講談社

現在約800万戸の空き家が15年後には2100万戸を超える…3戸に1戸が空き家に!「再自然化」する空き家、スラム化する分譲マンション、漏水・破裂する水道管、不便な立地の「サ高住」住みやすい「まち」に必要なものとは? 

老いる家 崩れる街 住宅過剰社会の末路 (講談社現代新書)

老いる家 崩れる街 住宅過剰社会の末路 (講談社現代新書)

 

 よく聞く「市街化区域」「市街化調整区域」などのなじみのないターミノロジーもわかりやすく説明されています。また「市街化調整区域」に建てられる住宅のためへの行政サービス提供のために自治体が抱え込むことになる将来の負債なども本書では取り上げられています。この本に書かれている程度の知識がなければおそらく地方自治体の選挙に責任ある立場で投票することはできないのでしょう。

 

8「人口と日本経済 - 長寿、イノベーション、経済成長」吉川洋 著(中央公論新社

人口減少が進み、働き手が減っていく日本。もはや衰退は不可避ではないか。
そんな思い込みに対し、長く人口問題と格闘してきた経済学は「否」を突きつける。
経済成長の鍵を握るのはイノベーションであり、世界有数の長寿国である日本にはそのためのチャンスが多々転がっているのだ。
日本の財政は破綻するのか、AIは人間の仕事を奪うのか、人間にとって経済とは――やわらかい語り口で、人口と経済の核心に迫る。

 

9「夏目漱石十川信介 著(岩波書店

結局のところ、人間とはわからないものである。しかし、それでもなお、人間とはわかるものである──。漱石の作品はわれわれにそう語りかけているのかも知れない。暗い孤独と深い明暗を心にかかえ、小説という仮構を通して人間なるものを追究する。作家・夏目漱石(慶応三年─大正五年)の生涯をえがく評伝。

夏目漱石 (岩波新書)

夏目漱石 (岩波新書)

 

 

10「読んじゃいなよ!――明治学院大学国際学部高橋源一郎ゼミで岩波新書をよむ」高橋源一郎 編集、鷲田清一長谷部恭男伊藤比呂美岩波書店) 

四の五のいう前に、ともかく新書に挑んでみた!鷲田清一長谷部恭男伊藤比呂美の各氏のパワフルな新書執筆陣を交え、稀代の読み手がファシリテーターとなって学生とトコトン読んじゃった二年間の記録。本を徹底的に読み込み、真剣勝負の対話を重ねる中から、いまどきの学生の等身大の不安や希望も見えてくる。

編者画大学の教え子や哲学者の鷲田清一氏らとの本の「読み方」「楽しみ方」について対話を重ねた授業の記録。