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本屋は燃えているか

ブックストアの定点観測

又吉直樹さん、村上春樹さんの新作登場

3月7日発売の文芸誌「新潮」4月号(新潮社)の売れ行きに書店員は注目しています。「新潮」は文学や音楽、映画、写真、絵画などトップクラスの表現者たちによる刺激的な原稿が満載された月刊誌です。どちらかというと玄人筋に好まれる雑誌で、しっかり固定客がついています。

「新潮」は日露戦争の年(1904年)に創刊された、百歳を超える文芸誌です。現役の商業文芸誌としては世界一古いという説があります(ただし第二次大戦中は紙不足のため数号、関東大震災のときは1号だけ休刊)。

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4月号に芥川賞作家の又吉直樹さんの2作目が掲載されるという情報が届きました。芥川賞受賞作品「火花」は、新潮社のライバルともいえる文藝春秋の「文學界」2015年2月号に当初掲載されました。芥川賞に受賞が決まってからバックナンバーの注文が相次ぎ、同誌創刊以来初の増刷となったのです。

hon.bunshun.jp

「柳の下」ということもありますので入荷体制には万全を期して臨みたいと、書店員は語っています。

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売れ行きを後押しするものと思われるのが、メディアの動きです。今回は執筆中の又吉さんの日常を追ったドキュメンタリーが放送される予定です。文学ファン以外の人が、放送を機に作品を手に取られることが多いに予想されます。

都内の築30年風呂なし、6畳一間のアパートを仕事場に、大ヒットした『火花』の次を期待される重圧と闘い筆を執る又吉。「文学性と大衆性を両立させる」という自身の命題に向き合い、新作『劇場』が生まれる創作の過程を克明に追った。

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書店にとって2月と8月は本の売れ行きが一年で一番鈍る季節です。今年はもう一つ強力な作品が登場する予定です。それは・・・

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圧倒的な読者層を持つ村上春樹さんの新作です。村上さんの著作は発売当日まで厳重な警戒態勢がひかれ、内容等が完全に伏せられます。例えば本の装丁について。文藝春秋のデザイン部に所属している装丁家の大久保明子さんの話によると情報管理の厳しさが伝わってきます。

世間一般にはもちろん、社内ですら秘密で本を作っており、ラフ(おおまかな下書き)を作る段階でも、会社に早朝に行ったり、休みの日に行ったり、プリントアウトもすぐに回収したりと、かなり気をつかったとか。さらに、書名が公表されてからもビジュアルは発売日まで絶対に秘密だった。

https://www.douban.com/group/topic/45009674/

発売日には書店の店頭に同作品が山と積まれ、店頭には読者が行列をつくるというおなじみの光景が見られると思います。