「本当にあった15の心あたたまる物語」キャサリン・バーンズ著 、岡本 千晶 (翻訳) (東洋経済新報社)
世界の第一線で活躍している人たちが自分の知識や技術を発表するイベントが、今年Eテレで放送され話題を呼びました。
価値のあるアイデア*1を世に広めることを目的としたアメリカの非営利団体”TED*2”の活動です。
参加者は一人当たり3分から20分の時間内でプレゼンテーションやパフォーマンスを繰り広げ、
観客に自分のメッセージを伝えます。
スーパープレゼンテーション<吹き替え版>[終]「素晴らしいプレゼンをする方法」 - NHK
人種のるつぼと言われるアメリカには、人種だけでなく生活習慣や考え方が異なる数多くの人々が暮らしています。
相手に自分の言いたいことを伝えるためには、自分の意見を主張することが社会の基本となっているのです。
人を惹きつける話し方ができるかどうかが、その人を評価する基準になっていることを意味します。
「俺の顔色を読め」という人の振る舞いや、
「発言はなかった」と言い訳をするような”忖度”が通用しないのが
世界のスタンダードであることがわかります。
これから国際化が進む日本社会に欠けているのがこの分野。
相手を論理的にねじ伏せるのではなく、
自己表現の手段として身につける時代はすぐそばに来ています。
************
TEDに続けと、今回出版されたのが、
ニューヨークに拠点を置く非営利団体「ザ・モス」の活動です。
こちらは、自らの体験を10~15分の物語にまとめて、舞台でトークショーを繰り広げるという、
ややエンタメ系のイベントです。
HEAPS Magazineー時代と社会の、決まり文句に縛られない。
「すべらない話」にも似ていますが
語り手に課せられたルールは「自分の体験を語る」こと。
自分が歩んできた人生の経験や分岐点となった出来事を思い切って語る人。
思い切って語る人に共感したい人の出会いの場ともいえる「一般の人」の話を聞く試みは、
新しい気づきをもたらしてくれるかも知れません。