「炎上とクチコミの経済学」山口真一 著(朝日新聞出版)
カドカワ社長の川上量生さんがネットの炎上について面白い表現をしていたのを思い出しました。
ネットの住民はリアルな土地を追われてネットに逃げ込んできた原住民のようなもので、ネットを自分の土地のように見る傾向がある。いわばテリトリー意識が強い人たちだと言います。
ですから自分たちにとって気に入らない表現が見つかると防衛意識が働いて攻撃してくるのです。
攻撃された側はびっくりして過剰な反応をせざるを得ませんが、
それは攻撃者にとっては願ったとおりの反応になります。炎上です。
「ちょっとパンチを入れたら、相手はびびった」とますます増長するというわけです。
ですから、炎上を避けるには相手にならないのが一番なのだというのです。
強そうに見えるネットの住民の弱点は、彼らはいつも個人で行動していることです。団結することはほとんどありません。
川上さんは「敵に回すと厄介な人たちだけど、団結することがないので頼りなく与しやすい」と言っていたように思います。