エコノミスト2018年10月9日号レビュー欄で紹介されたビジネス書。
「ファイナンス思考 日本企業を蝕む病と、再生の戦略論」
「売上を増やせ。利益は減らすな」「減益になりそうなので、
マーケティングコストを削ろう」「うちは無借金なので健全健営です」「黒字だから問題ない」こんなフレーズがあふれていたら、その組織は未来の成長より目先の業績を優先する「PL脳」に侵されている。会計の知識より先に、成長を描いて意思決定する頭の使い方「
ファイナンス思考」が今こそ必要だ。
「金融危機と対峙する「最後の貸し手」中央銀行: 破綻処理を促す新たな発動原則の提言:バジョットを超えて」
「最後の貸し手」機能は、どういう場合にどれだけの効果を発揮するのか、その効果が波及する経路は何なのか。金融システム安定を目的とする
中央銀行の「最後の貸し手」機能について、理論と具体的事例の双方の裏付けを伴い体系的に解説。その制度設計や発動原則のあるべき姿を論じる。
「企業広報誌の世界: 広報誌から企業コミュニケーションを読み解く」
“宣伝”にとどまらないコミュニケーションツールとしての企業広報誌を再評価。企業の社外向け広報誌の歴史的意義や文化・学術的価値について分析し、その魅力を紹介。『季刊大林』(
大林組)、『
洋酒天国』(
サントリー)、『
花椿』(
資生堂)、『
翼の王国』(
ANA)など代表的な45誌について詳細に解説。広報誌編集者のインタビューも掲載。オンラインデータベースでは調査しきれない広報誌3,000件の書誌を集約した「企業広報誌目録」付き。
「「働き方改革」の嘘: 誰が得をして、誰が苦しむのか」
第二次安倍政権発足直後から
論議が始まり、二〇一八年六月に国会で関連法が成立した「
働き方改革」。その流れをつぶさに取材してきた著者が、この間の経緯と問題点をまとめるとともに、「誰が、何のために『改革』を言い出したのか」を明らかにする。なぜ、労働問題を所管する
厚労省ではなく、経営者サイドに立つ
経産省主導で進んできたのか。問題の多い「
高プロ」にこだわる理由は何か。副業や
クラウドワークを推奨し、雇用システムを流動化させようとする狙いとは?「
働き方改革」という耳当たりのいいフレーズの「実像」をコンパクトに理解できる一冊!