本屋は燃えているか

ブックストアの定点観測

SHOE DOG(シュードッグ)靴にすべてを。

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「SHOE DOG(シュードッグ) 」フィル・ナイト (東洋経済新報社

 

靴に全てをかけた創業者が語る創業秘話。この手の本は、経営者の一代記のような「成功物語」になりやすく、読者も自慢話と割り切って読むのが普通です。本に書かれた方法が正解ならば、誰もが経営者になれるからです。

ところが最近はこの常識を打ち破った話が増えてきている気がします。

「世界最強のハンバーガー帝国を築き上げた男は英雄なのか? 怪物なのか?」 名優マイケル・キートンが、カリスマ経営者を強烈に演じる実録作「ファウンダー」は、マクドナルドハンバーガーの裏側を描いた物語でした。

本書も創業秘話としては単純な成功物語といえるものでありません。むしろピンチの連続。破産、裁判、人事抗争、法律に抵触しそうなきわどい行為とピンチの連続。成功したのもたまたま掴んだ運、という、経営指南本にはとうてい役立たない内容が中心になっています。

非現実的な正攻法やスローガンではなく現実の人生を共有したい人が自分を重ねて読むエンターティンメントかもしれません。

 

逢坂剛が選ぶ(文芸)回顧2017私の三点

逢坂剛が選ぶ文芸2017回顧私の三点

 

北海タイムス物語

監督の問題

角の生えた帽子

日本経済新聞 エコノミストが選ぶ経済図書ベスト10

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官民で議論が進む「働き方改革」に関心を持つ選者が多く、雇用や労働の問題を、理論とデータの両面から分析した秀作が並んだ。メガバンクが大規模な人員削減の計画を発表し、金融機関の先行きが不透明さを増す中で、金融を立て直す方法を提言する本が上位に入った。

 

1.「人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか」

2.「働き方の男女不平等 理論と実証分析」

3.「錬金術の終わり 貨幣、銀行、世界経済の未来」

4.「日本の人事を科学する 因果推論に基づくデータ活用」

5.「金融に未来はあるか―――ウォール街、シティが認めたくなかった意外な真実」

 

6.「スティグリッツのラーニング・ソサイエティ」

7.「データ分析の力 因果関係に迫る思考法」

8.「「原因と結果」の経済学―――データから真実を見抜く思考法」

9.「正規の世界・非正規の世界――現代日本労働経済学の基本問題」

10.「現金の呪いーー紙幣をいつ廃止するか?」

【保存版】人気温泉地ランキング2018

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じゃらん 2018年2月号」リクルートホールディングス

今年の温泉旅はココ! 人気温泉地ランキング2018

毎年大好評の人気温泉地ランキングを大発表!
人気の理由をチェックしてみて。
また、2018年注目の温泉スタイルも合わせてご紹介。
この冬何度も温泉へおでかけしてください!

温泉地ランキング

リクルートライフスタイルが12月14日に発表した「じゃらん人気温泉地ランキング2018」投票結果報告。

「じゃらん人気温泉地ランキング2018」投票結果報告 | リクルートライフスタイル

観光客自身が選んだ温泉ランキングというのがミソです。

おためごかし的な要素がぬぐいきれない観光業者側目線でつくられたランキングではありません。

利用者目線で評価されている温泉地が見えてきます。

 

 「もう一度行ってみたい」温泉地
1位 箱根温泉(神奈川県)


「一度は行ってみたい」温泉地
1位 由布院温泉(大分県


「行ったことがある」温泉地
1位 箱根温泉(神奈川県)


行ったことがある温泉地のうち「満足した」温泉地
1位 高湯温泉(福島県
1位 黒部峡谷温泉群(富山県)※秘湯部門

 

 

ランキング掲載誌 

今年で12回目を数えるこの調査。

結果は2018年2月号の『じゃらん』(北海道版、関東・東北版、東海版、関西・中国・四国版、九州版)において、

本結果をもとに周辺のおすすめスポットなどと併せて紹介されます。

 

東海版
関西・中国・四国版

気になるのは満足温泉第一位に輝いた高湯温泉です。
観光地として名前がとどろき渡るような温泉地ではありません。  

高湯温泉とはどんな温泉? 

地図を見ると、福島県会津磐梯山の近くにある温泉地です。

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高濃度の硫黄泉を多彩な風呂で楽しむ高湯温泉の源泉の数は10カ所もあり、毎分3258リットルを湧出する豊富な湯量が自慢です。この源泉を9軒の宿と1軒の共同浴場で引湯しており、加水・加温なしの贅沢な源泉かけ流しの湯を楽しむことができます。

共同温泉「あったか湯」を中心に温泉旅館が立ち並んでいます。

高湯温泉 福島|旅館案内一覧 日帰り温泉一覧 日帰り入浴一覧 宿泊案内

どちらかというと湯治場スタイル。

自分のからだをいたわるための温泉に分類されそうな所です。

プライベートな癒やしの温泉郷とでも言えそうです。

年末恒例のこの企画、

ガイドを片手に冬の旅を満喫したくなるガイド誌ならではの好企画です。

この世界の片隅に 2018年カレンダー

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この世界の片隅に」2018年カレンダー(クロブルエ・ジェンコ

映画『この世界の片隅に』描き下ろし12枚収録。片渕須直監督監修。 四季折々のキャラクター達が描かれた壁掛けカレンダーの2018年版(1月始まり)。

年の瀬ぎりぎり12月30日発売。

お急ぎの人は西荻窪のアニメ関係者の聖地「ササユリカフェ」さんで手にはいります。

#こうの史代「ギガタウン 漫符図譜」

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「ギガタウン 漫符図譜」こうの史代 著(朝日新聞出版)

うさぎの家族と周囲の動物たちの日常風景を、ユーモアをたっぷり交えて描いた4コマ漫画×現代版の「鳥獣人物戯画」 です。個性豊かな動物たちは、いつまでも眺めていたいほどチャーミングです。このキャラクターは、国宝「鳥獣人物戯画」を著者が現代風にアレンジして生み出したもの。メインの動物はもちろんうさぎ、カエル、さるで、墨の筆致を生かしてのびのびと描かれています。

さらに不思議なサブタイトル「漫符図譜(まんぷずふ)」。
漫符」とは、目が回ったときのグルグル、ひらめいた時の電球、
動いた軌跡の線など、漫画特有の表現記号の総称です。
著者はその漫符を採集し、「図譜」、つまり事典のように1つずつ解説を付しました。たとえば……

(♪の漫符)
1.(一つだけの場合) 機嫌が良いこと、楽に何かをこなしている様子を表すことが多い。
2.(複数の場合) 実際に音楽が鳴っている様子を表すことが多い。
――(本文より)

そして、漫符1つずつの「用例」

が本編の4コマ漫画になっているという仕掛け。
つまり本書全体が本邦初の"漫符事典"になっているのです。

こうの史代さんといえば、

この世界の片隅に」を超ロングラン上映してきた広島の映画館で1月26日千秋楽を迎えることになったという情報。

最高傑作をありがとうございました。

https://pbs.twimg.com/media/DRr0hoSVQAA-KBK.jpg

さて、こうの史代さんの最新作は 現代版の「鳥獣人物戯画」。朝日新聞社が発行する文芸誌、書誌PR誌「一冊の本」に連載していた作品を単行本にしたものです。

「一冊の本」(朝日新聞出版)に連載中の「ギガタウン」は来月号で最終回、単行本は1月下旬発売です!
 漫符を毎回入れて4こまを作るのは意外と難しかったがこつこつ頑張ったぞ…。これから単行本作業です。

(ご無沙汰しました! 投稿者:こうの 史代 投稿日:2017年11月14日(火)18時39分44秒)

連載に気が付かなかったファンもかなりいて注目を集めています。